何をどう片付けていくか。詳しく考えてみた
ためしに父がこれから片付けなければならないと感じる項目を、僕がわかる限り挙げてみましょう。
まず、家や田畑など実家で持っている土地について。特に田畑の部分を僕は全く把握できていません。
僕と彼女はすでにいま暮している街に住宅を購入していて実家に戻る予定はないため、それらも処分するか身内への譲渡が必要です。
売ろうとしても田舎なので売りたくても売れないかもしれないし、身内にも要らないと言われたらどう処分したらいいのか?その術も調べないといけません。
もともとは農家の家なので、自宅の家屋以外にも敷地内に納屋や物置があり、中にはものがかなり残っています。廃棄処分代を想像すると軽く眩暈がします。
せめて自分のものだけでも片づけたいけれど、年をとった祖父母が思い出の物を処分することで元気をなくした…なんて話も聞いたことがあるので、そう簡単にはいきません。
これは父も薄々感じていたようで、僕が30歳を迎えたころから少しずつこういった“片付け”の話をするようになりました。
そのほかにも、幸いいまは健在で介護の必要はないものの、祖父母が高齢のため体調やこれから必要になる介護のことや、実家や土地を片付けた後の父の暮らしのこと。おそらく僕の名義で賃貸を借りることになると思うので、ちゃんと貸してくれるのかなど。
親が契約しているものについても、後々把握が必要です。銀行や保険はもちろん公共料金や自宅の電話、ネット回線、スマホといったインフラの部分。
父の場合は映画をよく観るので、サブスクも契約しています。僕は父の実子であることを書面でも証明できるのでなんとかなると思いたいのですが、万が一のときに本人以外だと解約できないなんてことも聞いたことがあり、必要な手続きもさまざまありそうです。
それにしても、親の万が一のときに備えることを考えるのはなかなかヘビーですね。僕も書きながらちょっと疲れてきました。
これら以外に、離れて暮らす僕は老年を迎えた両親に何ができるのでしょうか。父にも母にも、正直お金の心配はしています。案外あるのかななんて思っていたら…なんてことがないとも限りません。
親の今後を考えるということは、自分の今後を考えるということでもあります。
僕たちアラサー世代は、いま還暦前後の父たちの世代よりももらえる退職金の額は減ると思います。もちろん企業によって異なるので一概には言えませんが、少なくとも僕自身はそうなるでしょう。
求人情報を見ればそもそもで退職金制度がない企業も多く、制度のある会社はアピールポイントとして見出しに加えることも少なくありません。
退職金制度の代わりに確定拠出年金を利用している企業もありますが、それも多いとは言えません。僕の勤め先も確定拠出年金を利用していますが、近々転職を考えているので継続はしない可能性が高い…。となると、定年退職を迎える際にまとまったお金が入らないということです。
僕と彼女は65歳から逆算して31歳でマンションを購入しました。ひとつライフイベントを終えたとして、今後は資産運用も真剣に考えていかなければならない年齢です。親の今後と自分の今後、併せて考えていきたいですね。
深く考えると落ち込むけど。お互いが元気なときに話し合っておきたい
いかがでしたか。あなたが考えるきっかけになったでしょうか。
“親の今後”について、あまり深く考えすぎると落ち込んでしまいそうですね。しかし向き合わないままでいて苦労するのは、結局のところ自分ではないかと思うので少しずつ考えていきましょう。
とはいえ、ひとりで考えて色々と勝手に決めてしまうのではなく、おそらくあるであろう両親の考えや意向を僕はできる限り酌んであげたい。そのためにもお互いが元気なときに、定期的に話しておくことが大切です。
両親との関係で話し合いが難しい場合は、必要な手続きなどについて予め確認しておくと面倒な手続きの心づもりができると思います。
なかには、お金で解決できるものもあるはずなのです。両親を大切に思っていても思えなくても、万が一のことが起きたときに自分のこころを大切にできるように備えるという意味も、“親の今後”を考えることにあるように感じます。
- image by:Shutterstock
- ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。