当事者も“アライ”に
アライはLGBTQ+当事者以外のストレートに対してのみ当てはまる言葉ではありません。
冒頭でお話しした通り、ジェンダーもセクシュアリティも千差万別。すべてのセクシュアリティを把握し理解しているかたは、けして多くありません。
このことから、自分が該当しないジェンダー・セクシュアリティに対して「LGBTQ+当事者であってもアライに」という考え方が増えてきました。
当事者であっても自分が該当しているもの以外のマイノリティはよく知らなかったり、認識と現状が異なったりギャップが合ったりすることが多いのです。
筆者は、身体の性は女性で心の性は定めていない(強いて言えばXジェンダー)で、女性のパートナーとのカップル。心身ともに男性であるかた同士のカップルや身体は男女だけれどどちらか一方の心の性が体の性と異なるカップルと比較すると、置かれている環境や困っていることの実情に異なる部分が必ずあります。
たとえ異なる部分があっても困っていることがあるのなら理解し、お互いが生きやすく、暮らしやすくなればいいなと思いこうして文章を書かせていただいています。なので筆者はLGBTQ+当事者であり、アライです。
今回はLGBTQ+に関連する言葉として紹介しましたが、この考えは近年さらに広がりをみせており、ジェンダーやセクシュアリティに関わらず、国籍や障がいなどによってマイノリティとされるかたへの理解・支援の表明としても「アライ」という言葉が使われるようになってきています。
理解していこうという気持ちが何よりも大切
特別な活動や深い知識がなくても公言することができる「アライ」。自分の身の回りに対してへの言動や態度での示し方など、おわかりいただけたでしょうか。
なかにはすでに少なからず行動に移せているというかたもいるかもしれません。「アライ」としてこれから言動や態度で示していきたいというかたは、ぜひ身近なかたから少しずつ始めてみましょう。
知識がなくても公言できるとはいえ、理解していこうという気持ちは大切。これを機にLGBTQ+に関して、本などを通じて理解を深めたいというかたには、企業向けの本格的なものもありますが、近年マンガやイラストで解説をしている初心者向けのわかりやすい内容の書籍も幅広く出版されているので、おすすめです。きっと自分のレベル感に合った本が見つかるかと思います。
一足飛びにすべてのマイノリティにとっての暮らしにくさ・生きにくさを解消することは、悲しいことですが不可能です。だからこそ一歩一歩確実に解消したり、困難を小さくしていかなくてはなりません。
当事者含め、マイノリティの立場にある人を理解したい、支援したいと思い、たとえ小さくても行動や言葉にしていくことで、身近な人やまだ見ぬ誰かが少しだけ日々を過ごしやすくなる。少しだけ、生きやすくなる。その少しをみんなで増やしていこうというのが、アライだと筆者は考えています。
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