おしゃれはメンタルヘルスに影響を与える?認知症とおしゃれの関係
認知症が進行すると身だしなみを気にしなくなり、おしゃれに関心が薄れていきます。
実はおしゃれをすることは、認知症と深い関係があることをご存じですか?
おしゃれに関心のある高齢者は活動能力も高く、メンタルヘルスが良好であること、人生に対する生きがい感が高い傾向にあります。おしゃれを楽しむことは、認知症予防にもなるそうです。(参考:資生堂公式HP)
私は、身だしなみを気にしなくなった母にもう一度おしゃれに関心をもってもらいと考えました。そこで、外出時に「一緒に服を選ぶ」「化粧を手伝う」ことを心がけました。
出かける前の母の洋服を、私の子どもも巻き込んで選ぶようにしたのです。選ぶときも同時に複数のことをさせようとすると混乱するので、順番に選べるようにサポート。そして、なるべく気分が明るくなるような明るい色の服を選びました。
私の子どもは女の子で、ちょうどおしゃれに関心がではじめた年頃。「ばぁば、この服きれいだよ!似合うと思うよ!」と楽しそうに洋服選びをしています。母もいまでは、子ども(孫)と洋服を選ぶことが楽しみのひとつになっています。
また、以前は普段からしっかり化粧(メイク)をしていた母でしたが、認知症の進行、新型コロナウイルスによるマスク生活でノーメイクで過ごすことが多くなりました。そこで、外出時のメイクも手伝うことにしました。
「キレイな色を見る」「化粧の香りをかぐ」など、五感を刺激する化粧(メイク)は、脳を活性化させ、気分を高める効果もあると言われています。
化粧療法(メイクセラピー)というものがありますが、高齢者にとっておしゃれや化粧に関心を持つことは、心身ともに健康に過ごす大切なことなのです。
私は母に「出かけるから久々に化粧でもしてみたらどう?」「このアイシャドウとか似合いそうだよ」と声をかけ、メイク道具を渡します。すると、「そうね、せっかくだから…」と母は、化粧をはじめます。その姿は、いきいきとしているように感じました。
服装もメイクもバッチリときまり、鏡の前に立つ母の姿は久々におしゃれを思い出したかのように輝いて見えました。
自信や喜びになる「おしゃれ」
おしゃれをして外出をすることは、脳にとってとてもいい刺激になります。
認知症が進行し、身の回りのことに関心が薄れていった母もおしゃれをして外出をすると、歩いている途中で「きょうはいい天気ね」「あの花キレイね」とちょっとしたことに興味をいだいたり、お店に入ったときには、「この服の色ステキだね、似合うかな…」とおしゃれに対して関心を取りもどすときがあります。
いくつになってもおしゃれに興味を持ち、綺麗でいたいと思うもの。おしゃれや身だしなみに興味を持つことは、認知症の母にとって自信や喜びとなり、積極的に外へ出てみたいという気持ちに繋がったのではないかと感じました。
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