「経済的に自立してるのに!実家住まいの私ってこどおばなの?」Cさん(36歳)
「『こどおば=実家住まいの女性』と認識している人が多すぎて、すごく悩んでいます」
神妙な面持ちで話してくれたのはCさん(36歳)です。Cさんは父・母・弟との4人家族。32歳の弟さんは昨年結婚し、実家を出て行ったと言います。
「私は結婚願望も特にないのですが、いつかは仕事面で独立したいなと思っていて、そのために実家でお金を溜めています。あともう数百万貯めたら会社を設立しようと考えているところです。
実家にもお金は入れてますし、私が料理を作ることだってあります。たしかに子ども部屋に住んではいますし、インテリアも高校のときから全然変わってませんけど…自立できてないわけじゃないと思うんです」
実家に住んでいる女性が全員「こどおば」なわけではありません。Cさんも目標があって実家に住んでいるわけですし、親に依存しきっているわけではないので、こどおばとは言えないでしょう。
しかし、世間はそこまで細かく「こどおばとはどんな人なのか」を把握しているわけではありません。
「職場で後輩の女の子たちが、私のことを『子ども部屋おばさん』と話しているのをたまたま聞いてしまいました。
いつも私は自分で作ったお弁当を会社にもっていってるのですが、それを『母親の手作り弁当とかキモい』って話してたんです。
年齢や立場的にお局と呼ばれるようになっているのはわかっていたので、できるだけ親しみやすく優しい上司を心がけていたのですが…まさかそんなところで悪口を言われるとは。わざわざ真実を伝えるのも変だよなと思って、その場はグッとこらえました」
さらに、思わぬ状況で『こどおば』の現実を突き付けられます。
「合コンの人数合わせのために参加したことがありました。みんな同年代だったので『出会いは探してないけど、話が合いそうで楽しみ』という気持ちで参加したのですが…実家住みです、と話してから、一定の距離を置かれるようになりました」
それまでは楽しく話していたのに、実家に住んでいると言っただけで少し引かれてしまったというCさん。
「なんだか嫌な感じ、と思っていたら、酔っぱらった勢いでしょうか、ひとりの男性に『Cさんっていわゆる子ども部屋おばさんですよね?親離れとかできないんですか?』と言われたんです。失礼すぎて驚きました。その場はうまくごまかしましたけど、怒り心頭で…あとから誘ってくれた女性には謝られました」
ただ将来の目標のために実家に住んでいるだけなのに。思わぬ被害を受けているCさんの苦悩は、この先もまだまだ続くのでしょうか。
「『こどおば』という言葉が独り歩きして、実家住まいなだけで悪い印象を持たれてしまうのは本当に困ります。気にせず生きればいいのでしょうが、ここまで言われるとなかなか難しいですよね」
「こどおば」、そして「こどおじ」に対して、周囲がもっと正しい理解を得られるよう祈るばかりです。
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