かわいがってくれる異母兄弟
夫と結婚してすぐから、長男、次男ともわが家にときどき遊びに来てくれていました。
特に長男は、わたしたちの息子が生まれてすぐのころからよく息子と遊んでくれました。実際に異母兄弟ではありますが、息子も「お兄ちゃん」と言ってとても懐いていました。
そんな長男が結婚することになり、お嫁さんを連れて挨拶に来てくれました。もしわたしが長男の実母なら、お嫁さんにとってわたしは義母。ですがわたしは後妻のため、お嫁さんも気を遣わずに済んで、フランクな付き合いができています。
おしゃべりが大好きなお嫁さんとは、子どもの寝かしつけの後にオンラインで話したりもします。
わたしのほうが育児は先輩なので、育児の悩みを聞いたり、お互いの夫の愚痴を言い合ったら嫌なところが同じで、「父子はやっぱりケンカの仕方も似るんだね」と笑ったりと、他人ならではのよい関係を築けています。
そして以前はうちの息子が長男を「お兄ちゃん」と呼んで懐いていましたが、今度は長男の息子がうちの息子のことを「お兄ちゃん」と呼んでいます。本当は叔父ですが、そういうところが複雑ですね(笑)。
子どもたちを等しく愛する夫
夫は不器用で無口で、わたしにはあまり愛情表現をしてくれないのが不満ではありますが、子どもたちへの愛情はひと一倍強いと感じます。
うちの息子の運動会を観に行ったかと思えば、翌週には孫のお食い初めに出かけ、息子の誕生日を祝ったかと思えば、孫の誕生日祝いにかけつけたりと、父とじいじの兼業はなかなか忙しそうです。
今年70歳になった夫は、パワーみなぎる孫の相手をした後はかなりグッタリと疲れていますが、それでも自分の息子が子どもを持ち、徐々に家族が増えていくことに幸せを感じているのか、孫と会ったあとはすっかり「じいじ」の顔になり、とても幸せそうな顔をしています。
よく、前妻との子どもを大事にすることにやきもちを焼いたり、不満に思ったりしないのか聞かれることもありますが、わたしはそれは感じたことはありません。
実はわたしの父も再婚だったようなのですが、前妻との子どもとは連絡を絶っていたようで、寂しい思いをしていたそうです。
わたしは成人するまでその事実を知らされていませんでしたが、そのことを知ったとき、自分が父を独り占めしてしまったような気持ちになりました。
そんな経験から、夫には、わたしの子どもは当然大事にしてほしいけれど、夫の前妻との息子も同じように大事にしてほしいと思っていました。
わたしは後妻で彼らと他人ではあるけれど、それでもできる限り彼らを大事にしたいです。そして、後妻のわたしを文句ひとつ言わずに受け入れてくれた夫の息子たちにも感謝しています。
夫はあまり多くを語らない人ですが、息子たち、わたし、そして息子のお嫁さんなど、さまざまな人がお互いに思いやりを持つことで、絶妙なバランスでよい関係を築けているのかなと考えると、それはとても幸せなことではないかなと思うのです。
「理想の家族像」のようなものは誰しも持っていると思いますが、相手がある以上、自分の思い通りにはいくとは限りません。
だからこそ、家族の形もライフスタイルも「こうでなくてはいけない」とこだわるのではなく、お互いに快適なスタイルを模索していくことが重要なのだと感じつつ、いまの生活を楽しみたいです。
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