20歳年上の夫と高校1年生のマイペース息子と暮らしている、アラフィフ主婦ライター・塩辛いか乃です。
今年で49歳の私と、すでに70歳を迎えた夫。わたしたち年の差夫婦のリアルライフをお話しします。
歳の差20歳だと、食べ物の価値観もずいぶん違います。
夫が幼少期に食べていたもの
昭和28年、戦後復興で外国からさまざまな食べ物が入り始めたころでしょうか。ときどき夫の時代の食べ物観を聞くと、ビックリすることがあります。
以前、それぞれの世代を象徴する食べ物にたとえて「バナナ世代、キウイ世代、マンゴー世代」という言葉が流行りました。
まさにその「バナナ世代」が夫の世代。ちょうど夫が子どものころ、バナナが輸入され始めた世代だったそうで、すごく珍しい食べ物だったとか。
バナナは、いまでは果物のなかでも安い食べ物なのにねぇ。だけど北海道生まれの夫が、南国でしか採れないであろう黄色い果物を見たら、さぞかしビックリするだろうという気もしなくもないです。
そんな話から、夫の子どものころはいったいどんなものを食べていたのか聞いてみると、驚きの発言が続出しました。
夫はゆで卵が好きで、何かにつけてゆで卵を作って食べています。そしてゆで卵を食べながら「昔は遠足のお弁当に、アルミにくるまれたゆで卵が必ず入ってて、おいしかったんだよなぁ」と懐かしそうに話しています。
よくよく聞いてみると、当時は卵もまぁまぁ高価で、遠足などスペシャルな日に登場するからすごく思い出に残っているのだそう。
参考までに昭和30年代の卵の価格を調べてみたら、卵は当時の大卒初任給と価格とのバランスで現代に置き換えてみると、なんと2000円相当になるのだとか。(参考:小林ゴールドエッグ)
娯楽も少なくて、テレビもまだ普及しきっていない時代。遠足は大きな非日常イベントだったのかなと思います。
さらに驚いたのは「肉なんて、あんまり食べたことがなかった」という発言。
夫は北海道に住んでいたので、本州とは少し事情が違うかもしれませんが、牛肉を食べる習慣自体が昭和30年代ごろから広がったようなので、まだ見たことがなかったといっても不思議ではないですよね。(参考:相州牛推進協議会)
逆に鶏肉は、夫の田舎ではどの家も飼っていて、食べるときはその鶏を「しめて」食べていたそうです。
考えてみれば、当時はまだ1ドル=360円の固定相場制。輸入食品が入ってきても高くて買えないし、だからそもそも輸入食材というもの自体に触れていないということで。(参考:野村証券)
さらに北海道民だった夫は、日常的にはほとんど毎日魚を食べていたそう。いまは不漁で魚がどんどん値上がりしていますが、当時は魚がたくさん獲れて、供給には困らなかったんでしょう。
そういえば北海道小樽市に「ニシン御殿」というのがありますが、大正時代にニシンで大儲けした方が建てた豪邸なのだとか。ニシンといえば数の子。ニシンの大漁で小樽の街も活気が出て、いまのような観光地のもとになったそうです。(参考:小樽貴賓館)
そういえばわたしが子どもだった昭和50年代でも、まだ鮭は安い魚として朝食に出ていた記憶がありますが、いまは値段が高騰して鮭なんて朝食にはもったいなくて出せませんものね。時代はほんとに変わったなぁと思います。
そんなこんなで20歳も歳の差があると、なんだか「食の歴史」を感じることができて、おもしろいといえばおもしろいです。