こんにちは。アダルトチルドレン(AC)専門セラピストの安宮正敏です。これまでは、「毒親を許すための方法」や「家庭環境に問題がない人もアダルトチルドレンになる理由」などについてお話してきました。
さて、今回は「反芻思考(はんすうしこう)を終わらせる方法」をお伝えしたいと思います。
「反芻思考」って何?
「反芻思考(はんすうしこう)って何?」そう思われた方もいらしゃるかもしれませんね。
反芻思考とは、過去の辛い経験を何度も思い出して気持ちを滅入らせることを言います。
過去の出来事にも関わらず、頭のなかでそのことを思い出すことで、思考、感情、身体の感覚までもが影響を受けてしまうということです。
たとえば、何日も前に職場の上司のAさんに注意された出来事があったとします。たしかにそのときは少し気分も凹むかもしれませんね。
だけど、何日も経っているにも関わらずそのことを思い出して、辛い気持ちになってしまうということです。
「なんであのとき…」「あのとき、ああしていれば…」
いくら思い返しても、何も変わらないと頭ではわかっていてもなかなか止めることができなかったり。そのことを考えたくないと思っても、気づけばそのことを考えてしまっていたり…
何度も辛い出来事を思い出して自分を責めてしまうと、とても苦しくなってしまいますよね。
このように、過去の辛い体験を何度も思い出して気持ちを滅入らせることを「反芻思考」と言います。
反芻思考を止めるには?
ではこの反芻思考を止めるには、どうすればいいのでしょうか?
いくつか方法はありますが、今回は反芻を止めるトレーニングをひとつご紹介します。
それは「客観視する」というトレーニングです。
反芻思考はやめようとして、やめれるものではありませんよね。なので、やめようとするのではなくただただ「客観視する」ということです。そうすることで、反芻思考は落ち着いてきます。
では、どうやって客観視するのかお伝えしましょう。これもいくつか方法があるのですが、私がやりやすいと思うのは「実況中継をする」という方法です。
何をどのように「実況中継」するのかと言うと、ひとつ目が「感情について」です。
いま、ご自分が感じている感情をそのまま「感情は○○○と感じている」と実際に言葉に出して実況中継します。そして、イメージでいいので感情を客観的に眺めてみてください。
2つ目が、「身体について」です。
いま、ご自分が感じている身体の感覚をそのまま「身体は○○○を感じている」と実際に言葉に出して実況中継します。そして、イメージでいいので身体を客観的に眺めてみてください。
3つ目が「思考について」です。
いま、ご自分が考えている思考をそのまま「思考の流れは○○○になっている」と実際に言葉に出して実況中継します。そして、イメージでいいので思考を客観的に眺めてみてください。
実況中継することで、「客観視」がやりやすい状態になります。なぜなら、「客観視」できていないと実況中継ができないからですね。
客観視がうまくできていたら、反芻思考によるネガティブな思考、感情、身体感覚は静かになっていきます。
1回目でうまく人もいれば、あまり変化を感じられないという方もいらしゃるかもしれません。
これは脳のトレーニングと思っていただければと思います。なので練習すれば上達します。筋肉が鍛えれば育つのと同じで、脳も鍛えると育つのです。
3種類するのが難しい方はどれかひとつでも、そして1日30秒でもいいのでトレーニングしてみてくださいね。
そうすることで「反芻思考」は意識的にやめられるようになっていきますからね。
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