「働かない家族」がいることで起こる問題
ルナさんの両親が営む飲食店は、規模が大きいこともあり、結婚した長男夫婦が経営に協力していました。
調理に専念する父母に代わり取引先とのやり取りや営業を引き受ける長男と、その奥さんは事務として日々の経理からアルバイトの面接・シフト調整まで行い、一丸となって順調な経営を目指しています。
家業の安定を考えお店のすぐそばに家を構えた長男夫婦は、ルナさんには「腫れ物にさわるような扱い」をしているといい、普段から会話をする機会も少ないそうです。
父母に負担をかけながら平然と子ども部屋で暮らす妹を見れば、仲良くする気が起こらないのは当然で、両親もその状況を「仕方ない」と置いていました。
問題は、お金の管理をしている長男の奥さんにルナさんのほうが「ちょっかいを出す」ことで、「うちはいまどれくらい財産があるの?」などとんちんかんな質問をしてくることにうんざりしていると言います。
夫の妹ならむげな対応はできず話すそうですが、以前は「お小遣いが足りないんだけど、何とかならないかな」とおかしな相談を受けたことが長男と両親に伝わり、騒動になりました。
経理を担当している奥さんなら融通してくれると思ったのかもしれませんが、店の売上なら当然そんなことは不可能で、話を聞いた長男が「二度とそんな話をするな」とルナさんにきつく言い渡し、奥さんとの接触も禁止としました。
「家の金に手を出しかねない」と判断した両親と長男は、金庫などをルナさんに黙ってお店から長男の家に移し、経理の業務も店では行わないことに決めたと言います。
こんな負担を強いられることに一番怒っているのが長男で、「親の苦労も知らずに本当にどうしようもない人間だ」とルナさんを遠ざけ、仲は悪化する一方だと母親はため息をつきました。
一方で、ルナさんは「そこまで言わなくても」と兄を非難している状態で、このときも部屋に閉じこもり「家族が折れるのを待っていた」そうですが、誰も相手をしなかったことからいつの間にか出てきて、当たり前のように食卓につく日常に戻ったそうです。