我が子が朝、学校に行きたがらない様子を見せたとき。友達との関係に悩んでいる姿を目にしたとき。授業の話を全くしてくれなくなったとき。
「このままで、本当にいいのだろうか」
そんな思いが、胸をよぎったことはありませんか?
子どもが夢中になって虫を観察している姿、工作に没頭している姿を見ると、その輝きが学校では活かされていないのではないか、と感じることもあるかもしれません。
子どもの学び方や過ごし方について、改めて考えるきっかけは、実は日常の中にたくさん潜んでいるのです。
今回は、小学生から中学生の子どもを持つ保護者1,011人を対象に実施された調査から、現代の保護者が抱える教育への思いと、子どもたちに本当に必要な学びの環境について詳しく見ていきましょう。
7割の保護者が最も重視するのは?

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調査でまず明らかになったのは、保護者が子どもの教育で何を大切にしているかという点です。
「子どもの教育や学びについて、日ごろどのようなことに関心があるか」という質問に対して、最も多かった回答は「子どもの興味・関心を伸ばすこと」で71.0%でした。次いで「学力や成績のこと」が58.4%、「人間関係の構築」が52.1%という結果になっています。
約7割もの保護者が、テストの点数や偏差値よりも、子ども自身の内面的な成長や自発的な学びを重視していることがわかります。これは、知識を詰め込むだけの教育ではなく、子どもが自ら考え、探究する力を育てたいという思いの表れではないでしょうか。
もちろん、学力や成績への関心も決して低くはありません。しかし、それ以上に「この子らしさ」を大切にしたいという親心が、数字に現れているのです。
また、人間関係の構築への関心も高く、学びの内容だけでなく、子どもが健やかに育つ環境全体を気にかけている様子がうかがえます。
現代の子どもたちが夢中になっているもの

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では、子どもたち自身は、今どのようなことに興味を持っているのでしょうか。
「子どもが現在、興味・関心を持っていることには、どのようなものがあるか」という質問では、「スポーツや身体を動かす活動」が39.2%で最も多く、「ゲームやプログラミングなどのテクノロジー」が32.6%、「工作や創作などのものづくり」が25.1%という結果になりました。
興味深いのは、身体を使うリアルな体験と、デジタル技術を活用した活動の両方に関心が広がっている点です。
現代の子どもたちは、公園で思い切り遊ぶことと、タブレットでプログラミングに挑戦することを、自然に行き来しながら成長しているのです。
また、「ものづくり」への関心も一定数あることから、結果よりも「自分の手で何かを形にする」喜びが、学びのモチベーションになっていることがわかります。
完成度の高さではなく、試行錯誤する過程そのものに価値を見出している子どもたちの姿が浮かび上がってきます。
見守ってあげたい、我が子の学ぶ姿

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子どもが何かに興味を持ったとき、保護者はどのように関わっているのでしょうか。
「子どもが何かに興味・関心を持ったとき、あなたはどのように関わっているか」という質問では、「本人のペースを尊重しながら見守っている」が52.6%で最も多く、「一緒に調べたり、体験に連れて行ったりする」が45.6%、「必要な環境や道具を整えている」が40.4%となりました。
半数以上の保護者が、子どもに干渉しすぎず、その子のペースを大切にしながら見守る姿勢をとっていることがわかります。これは、子どもの主体性を尊重する子育てが、家庭に広く浸透してきている証拠といえるでしょう。
同時に、一緒に調べたり体験を共有したりする保護者も多く、「共に学ぶ」という意識の高まりも見て取れます。子どもの興味を否定せず、かといって放任するのでもなく、適度な距離感で寄り添う。そんなバランスを大切にする保護者が増えているのです。
必要な環境や道具を整えるという回答も4割を超えており、子どもが「やってみたい」と思ったときに、すぐに挑戦できる環境づくりを意識している様子がうかがえます。


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