6割の親が感じている学校への「違和感」

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子どもの個性を大切にしながら育てている保護者たちですが、学校の教育方針や対応についてはどう感じているのでしょうか。
「これまでに、子どもの学校の教育方針や対応に違和感を覚えたことはあるか」という質問に対して、「よくある」が20.8%、「ややある」が39.2%で、合わせて6割もの保護者が違和感を経験していることが明らかになりました。
この数字は、決して無視できるものではありません。多くの保護者が、何らかの形で学校の在り方に疑問を抱いているのです。
個別最適化や多様性への対応が進む社会において、画一的な一斉指導に限界を感じる保護者が増えているのかもしれません。
30人、40人という集団を同じペースで教える従来の方法では、一人ひとりの個性や学びのスピードに対応しきれないという現実が、こうした違和感につながっていると考えられます。
違和感を覚えたのはどんな場面?

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では、保護者は具体的にどのような場面で違和感を覚えたのでしょうか。
違和感があると答えた保護者に「そのような違和感を覚えたタイミング・きっかけ」を尋ねたところ、「子どもの個性が理解されていないと感じたとき」が34.8%で最も多く、「学校のルールや対応に疑問を感じたとき」が31.4%、「集団生活の様子や雰囲気が気になったとき」が23.3%という結果になりました。
最も多かった「個性が理解されていない」という回答からは、学校が子どもを一人の人間としてどこまで丁寧に見ているのか、という根本的な問いが浮かび上がります。
「うちの子はこういう特性があるのに、それを理解してもらえない」「みんなと同じようにできないことを、問題として扱われてしまう」。そんな経験をした保護者も少なくないのではないでしょうか。
学校のルールや対応への疑問も3割を超えており、「なぜこのルールが必要なのか」「この対応は本当に子どものためになっているのか」と感じる場面があることがわかります。
集団生活の雰囲気への懸念も挙げられており、多くの保護者が、子どもが型にはめられることへの不安や、学校全体の空気感が我が子に与える影響を気にかけているのです。
違和感を覚えたら?相談はするが、踏み出せない現実

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違和感を覚えた保護者は、その後どのような行動をとったのでしょうか。
「子どもの学校の教育方針や対応に問題を感じ、したことがある行動」を尋ねたところ、「家族・友人に相談した」が37.3%で最も多く、「特に行動は起こしていない」が35.3%、「外部の教育サービスや学びの場を探した」が19.6%となりました。
問題意識を持っても、実際に行動を起こす保護者は限られていることがわかります。相談や情報収集にとどまってしまうケースが多いのです。
この背景には、いくつかの要因が考えられます。教育制度や地域の環境による制約、転校や転籍といった大きな決断への躊躇、そして何より「子どもに負担をかけたくない」という慎重な思いがあるのではないでしょうか。
「学校を変えたら、友達と離れてしまうかもしれない」「環境が変わることで、かえって子どもが不安定になるかもしれない」。そんな心配が、一歩を踏み出すことを難しくしているのです。
また、3割以上が「特に行動は起こしていない」と答えていることも注目すべき点です。違和感を感じながらも、どう動けばいいのかわからない、あるいは動けない状況にある保護者が少なくないことがうかがえます。


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