「結婚し夫婦となったらふたりなら、寝るのも当然同じ部屋」と思う人は少なくないのではないでしょうか?
同じベッドで横になったりそれぞれの布団を並べたり、同室で寝る場合はふたりの距離が近いことがほとんどです。
一方で、別々の部屋で寝るけれど愛情の深さは変わらないという夫婦もいて、同室ばかりが正解ではないと言えます。
夫婦の寝室は一緒がいいのか、それとも別にしても大丈夫なのか、どう考えるのがいいのでしょうか。
それぞれの「寝方」の問題
寝室はそもそも眠る場所であり、ゆっくりと体を休める環境であることが大切です。
どんな環境が合っているかは人によって変わり、「真っ暗じゃないと眠れない」という人もいれば「無音だと落ち着かないから睡眠アプリの音楽を流しながら寝る」と話す人もいます。
夫と妻の両方が、たとえば「豆電球をつけて静かな状態で眠る」ことができるなら、同じ部屋でも問題はありません。
それぞれの寝方を受け入れられるときは同室でも大丈夫ですが、どちらかにストレスがある環境、「夫の寝相が悪くてたまに蹴られて目が覚める」「妻の寝言が気になって眠れない」のような場合は、一緒に眠るのは難しいですよね。
夫婦の寝室は同じが当たり前ではなく、お互いの寝方を受け入れられるかどうかで決めるのが正解と言えます。
夫婦の寝室は別がいいケース
よくあるのはいびきの問題で、男女関係なく相手の寝息が大きいなどで熟睡できないときは、寝室は別にしたほうがいいでしょう。
夫婦なのだからとつらいのを我慢していれば、きちんと眠ることができず体調を崩す原因にもなりかねません。
「自分の寝相が悪い」「人と毛布を分け合うのは苦手」など、個人の事情もありますよね。
ふたりの寝方が合わないときは、寝室を分けるのが夫婦仲を悪くしないためにも大切です。
そして、別にするときはその理由をお互いに理解することが肝心で、「夜勤明けで深夜に帰宅して相手を起こしたくないから」など、分けることをふたりがネガティブに受け取らない状態を心がけたいですね。
寝室を別にすると「スキンシップが減るかも」など愛情に不安を覚える人もいますが、夫婦水入らずの時間はどちらかの部屋でゆっくりと過ごして寝るときだけ片方が出るなど、柔軟に考えましょう。
夫婦の寝室は一緒がいいときの「マンネリを防ぐ工夫」
お互いの寝方にストレスがなく、同じベッドでぐっすり眠れるという夫婦の場合、長い時間そうしていると生まれるのが「マンネリ化」です。
情熱的に抱き合ってそのままふたりで眠りに落ちるような幸せな時期が過ぎると、「常にこの人の隣で眠る」ことに互いが飽きを感じます。
マンネリを覚えるときは、寝室の環境を変えるのがおすすめ。
ベッドや布団を敷く位置を変えられるのが理想ですが、難しいときは窓のカーテンを新しくしてみたりサイドテーブルの照明を別のものにしたり、目にする景色に変化が生まれると気持ちも新鮮さを取り戻します。
お揃いのパジャマを用意する、寝室専用の冷蔵庫を購入してお酒を楽しむなど、ふたりきりの時間をより密にする過ごし方も考えたいですね。
夫婦の寝室はいわばふたりのプライベートな空間であり、ときにはお互いにマッサージしあって疲れを癒やすような時間も、愛情を深くすると言えます。
配偶者に「寝室を別にしたい」と言われたら…
自分は一緒に眠れると思っても、配偶者のほうはそうではなくて「寝室を分けたいのだけど」と言われたら、ショックを受けますよね。
こんなときにやってはいけないのは無理に同室を迫ることで、「夫婦は同じ部屋で眠るもの」にこだわると、かえって相手の不満を募らせます。
睡眠は人間の活動を支える重要な休息なら、お互いにしっかりと眠れる環境を家のなかに用意することが肝心。
別の部屋で寝たい理由をきちんと聞けば、「あなたが夜遅くまで明かりをつけて本を読むのがつらい」ときは、読書をする時間を決めるなど相手の気持ちに寄り添った改善も考えられます。
配偶者が「どうしてもひとりで眠りたい」と話すときは、いったんは別室を用意して寝てもらうのも尊重のひとつ。
「一週間だけ寝室を分けてみる」など条件をつけて試してみると、睡眠について新しい発見があるかもしれません。
夫婦の寝室は別でも一緒でも愛情に影響はない
「夫とは別々の寝室で寝ているの」と人に話すと、それだけで「愛情が薄いのでは」と受け取る人はいまの時代でもいます。
また、自分自身が「夫婦は同じ部屋で寝るもの」という価値観に縛られ、配偶者の気持ちをきちんと考えない人も一定数見ます。
夫婦の愛情に「寝室が同じかどうか」は関係なく、長い期間別々の部屋で寝ているけれど「だからうまくいっている」と話す夫婦も実際にいるものです。
寝室はリラックスして眠る場所が理想なら、ふたりの寝方が合わないのに無理をして同室を選んでいるほうが問題で、寝室を分けたことでお互いに質のいい睡眠がとれて、機嫌よく家のなかで過ごせるほうが大切ではないでしょうか。
相手に向ける愛情は寝室以外でも確認できる機会は多く、普段から会話を楽しむ、いたわるのを忘れないなど、前向きなコミュニケーションを重ねていくことを意識したいですね。
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