結婚は人生のなかでも大きな節目のひとつです。しかし、現代の社会では、その価値観は一様ではありません。
「経済力がないと結婚は難しい?」「年齢差のある相手との結婚は幸せ?」「結局、結婚って幸せになれるの?」
そんな素朴な疑問に答えるべく、一般財団法人全日本情報学習振興協会が既婚・未婚の男女を対象に、「結婚相手の年収に対する結婚観」について興味深い調査を行いました。
この記事ではその調査結果をもとに、結婚における“理想と現実”のギャップや、実際の幸福度に影響を与えている要素について、リアルな声を掘り下げていきます。
年収500万円以上が理想…でも、現実は違った?

image by:PRIZMAリサーチ/一般財団法人全日本情報学習振興協会
「結婚相手の男性に望む年収を教えてください」と聞いた調査によると、未婚女性の57.3%が結婚相手に「年収500万円以上」を希望していると回答しました。
やはり今も昔も、経済力は結婚相手の条件として重視されているようです。
一方、既婚女性に「配偶者(夫)の年収を教えてください」と尋ねたところ、実際に500万円以上だったのは50.5%にとどまりました。
つまり、約7%の女性は理想よりも低い年収の男性と結婚していることになります。逆にいえば、理想より年収が低くても「この人となら」と結婚を選んだ女性が少なからず存在するということ。
また、未婚女性の42.7%が「年収200万円〜500万円未満」を希望していたのに対し、実際の既婚女性でこの層に該当するのは49.5%。7%多くの女性が、理想より現実を受け入れていることがわかりました。
年収はたしかに大切な要素かもしれませんが、それだけが結婚の決め手ではないことが、こうしたデータから見えてきます。
8割以上が「結婚して幸せ」と回答

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では、実際に結婚した人たちはどのように感じているのでしょうか。
調査では、既婚者に「結婚後幸せに過ごせていますか?」と尋ねたところ、82.3%の人が「幸せ」または「普通に幸せ」と回答しています。
- 「幸せ一杯、すごくハッピー」…39.3%
- 「幸せ、普通にハッピー」…43.0%
- 「幸せとは言えない」…わずか5%以下
これらの数字からも、多くの既婚者が「結婚してよかった」と実感していることがわかります。
年収の高さは幸福度に関係してる?

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特に興味深いのは、「年収が高い男性と結婚した女性」と「年収が500万円未満の男性と結婚した女性」との幸福度の差についてです。
- 夫の年収が500万円以上:81.8%が幸せと回答
- 夫の年収が500万円未満:80.9%が幸せと回答
2つのパターンを比べてみたところ、その差はたったの0.9%。つまり、収入の高さが結婚後の幸福度に大きく影響しているわけではないという結果に。
収入が高くても「忙しくて家にいない」「育児に協力的でない」といった状況よりも、多少収入が低くても、家事や育児に積極的なパートナーの方が、家庭の幸福度に貢献している可能性があるのです。
結婚相手との“年齢差”が幸福度に影響?

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次に、結婚相手との年齢差が幸福度にどう関係しているかを見てみましょう。
女性側の結果
- 夫が年下:83.1%が「幸せ」と回答
- 夫が年上:77.9%が「幸せ」と回答
年下の男性と結婚した女性の方が、約5%高い幸福度を感じているという意外な結果に。
男性側の結果
- 妻が年下:84.7%が「幸せ」と回答
- 妻が年上:81.3%が「幸せ」と回答
妻が年下の場合の方がやや幸福度は高いものの、その差は小さいという結果が出ています。
「男性は年下の女性を好む」といった一般的なイメージとは逆に、女性が年下の男性と結婚する方が、満足度が高い傾向にあるようです。
これは、家事や育児への関わり方、柔軟な価値観、世代間の意識差などが影響しているのかもしれません。
年収や年齢差よりも大切なこととは?
調査から見えてきたのは、理想通りの相手と結婚できたからといって、必ずしも幸福度が高いわけではないという事実です。
確かに、未婚女性は「年収が高い」「年齢が近い・上」などの条件を望む傾向がありますが、実際には多くの既婚女性が、理想から外れた相手とでも幸せな結婚生活を送っているのです。
では、何が結婚生活の幸福度に直結しているのでしょうか。そのヒントとなるのが、「日常生活のパートナーシップ」です。
- 家事や育児への協力
- 感情の共有や思いやりのある会話
- お互いを尊重し合える関係
こうした“日々の積み重ね”こそが、年収や年齢差を超えて、幸福度を高めるカギなのかもしれません。
今回の調査では、結婚における「理想」と「現実」のギャップが明らかになりました。
- 年収500万円以上を望む未婚女性は57.3%だが、実際にその条件で結婚した女性は50.5%
- 年齢差では、夫が年下の方が女性の幸福度は高い傾向に
- 年収による幸福度の差はわずか0.9%という事実
これらのデータは、私たちに「理想通りじゃなくても、幸せになれる」ということを気付かせてくれたように感じます。
もちろん、理想を持つことは悪いことではありません。でも、それに固執しすぎて「本当はよい相手」を見逃してしまうのは、少しもったいないかもしれません。
結婚はゴールではなく、スタート。お互いに思いやり、支え合いながら、「自分たちだけの幸せな形」を見つけていく旅のようなもの。
もし今、「理想と現実の違い」に迷っているなら、一度立ち止まってみてください。そして、“自分にとって本当に大切なもの”を見つめ直してみてはいかがでしょうか。
きっとその先に、あなただけの幸せな結婚が待っているはずです。
- source:PRIZMAリサーチ/一般財団法人全日本情報学習振興協会
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