別れの危機に直面した経験はありますか?現在実際に別れを前にしており、どうすればいいのか…と悩んでいるカップルもいるでしょう。
今回は、別れの危機を乗り越え、いまなおラブラブな暮らしを送っている3組のカップルのエピソードをご紹介します。
彼らの話のなかに、別れの危機を乗り越えるためにヒントが眠っているかもしれません。
過干渉すぎる彼女にうんざり、別れの危機になったけど…
最初に話を伺ったのは、付き合って5年目になるという桜井さん(男性/29歳)。
昨年のクリスマスにプロポーズをし、来月彼女との入籍と結婚式を控えていると言います。
「みんなには『仲良しで羨ましい』『憧れのカップル』と言われますが、付き合って3年を迎えたころに別れの危機がありました。それはちょうど、僕たちが同棲を開始したころです」
最初は同棲生活にワクワクし、2人とも楽しい日々を送っていたよう。
しかし、だんだんと桜井さんは、彼女のある行動が気になるようになってしまいます。
「まず、どこにいて何時に帰ってくるのか把握したいからという理由で位置情報アプリをお互いにいれることになりました。彼女のほうが帰りが早く、ごはんの支度をすることが多かったので、この点はまぁ仕方ないかなと思っていたんです。でも…少しコンビニや本屋に立ち寄っただけで『いまどこで何してるの?』と連絡が来るようになりました」
相手がどこにいるかがわかるからこそ、普段とは違う行動をしているときになってしまうのでしょうか。
「さらに、帰宅すると僕の財布の中身をチェックするんです。きょうは何にいくら使ったんだねって。レシートがないときは『今朝財布に〇〇円入っていたはずだけど、〇〇円は何に使ったの?』って。コーヒーを買っただけだよと言えば済むんですが、それが妙に鬱陶しくて…」
節約してお金を貯めて、結婚資金にしようねと言い、2人でお小遣いを決めていたという桜井さん。
お小遣いの額は少ないわけでもなかったのですが、趣味には使いにくくなったそうです。
もちろん彼女も自分のお金の使い道は話してくれたそうですが、桜井さんにとっては窮屈さが日に日に増していきます。
「持ってる下着や服も、すべて写真に撮って保管していました。『片付けや模様替えがしやすくなるし、消耗時期に買いやすくなるから』とのことでしたが、パンツの色と枚数までチェックされるとか…なんだか浮気を疑われているみたいですよね。ずっと監視されているような気がして、悪いことなんて何もしてないのに、だんだんと彼女といるのが苦しくなってきてしまったんです」
そして桜井さんは、彼女に別れを告げたと言います。
「彼女はびっくりしてました。節約のため、整理整頓のため、お互いが心地よく過ごせるためにやっていたことが、あなたの負担になっていたなんて知らなかったって…。そこで本当は『もうさよならだね』って家を出ていこうと思ったんですけど、彼女に正直な気持ちを伝えなかった自分にも非があるなと思い、1週間考える時間がほしいと告げました」
それから1週間、彼女は過干渉をやめ、お小遣いの使い道やGPSの動きには一切口を出さなくなり…。
保存していた服や下着の写真もすべて消し、桜井さんの領域に不必要なときに立ち入らなくなったそうです。
「その距離感がすごく心地よくて、彼女が僕のために反省してくれてるのも伝わったし、苦しいだけで嫌いではなかったので…別れるっていうのを撤回しました。それからはお互いに気持ちの良い距離感を保ちながら同棲を続け、大きな喧嘩もなく、無事にゴールインできることになったんです。
あのときお互いに冷却期間というか、考える時間を設けたことがよかったのかなって思います。彼女も自分の非を認めてくれて、逆ギレとかしなかったから、僕も冷静に自分の非を認められたし…感情的な彼女だったら、本当に別れていたかもしれませんね」
お互い激務で喧嘩が絶えず、もう終わりかと思っていた
続いて話を伺ったのは、現在結婚2年目、妊娠7カ月目という恵さん(女性/30歳)です。
恵さんの別れの危機は、交際2年目、結婚1年前にさかのぼります。
「彼も私も営業職で、日々激務。その年は特に忙しかったんですよね…。毎週末は会おうねって話をしていたのに1カ月会えなくて、せめて電話くらいしようって言ってたけど残業のタイミングとかで電話もできず、LINEでスタンプのやり取りをするくらいでした」
日々の激務ですれ違っていたという2人。これじゃいけないと思い立ち、月に1回は会う時間を設けるようにしたと言います。
「でも、会うたびに大喧嘩になっちゃうんです。映画を観に行ったんですが、寝不足のせいもあって私が寝てしまい、彼氏が不機嫌になり、そのあとの食事もずっと無言で、どちらからともなく『来なきゃよかった』という言葉が出る。一泊二日の旅行中には上司から電話が来て、彼が遅くまでパソコンを開かなければいかず、私はつい『何しに来たわけ?つまんな』と言ってしまう…。
お互い疲れてイライラしているのもあって、どちらかが心ない言葉を吐いてしまうと、そこからは地獄のような時間が続きました。本当によくないですよね」
そんな状態が半年以上続いたある日。それはちょうど、恵さんの誕生日でした。
「彼氏が私の誕生日をすっかり忘れてしまっていたんです。連絡が一切来なくて、日付をまたいでもこなくて、一週間放置されていました。それで、このままだと自然消滅して終わりだなと思い私から別れを告げたんです」
LINEで別れを告げたという恵さん。その日の夜、LINEに気づいた彼氏から連絡が来ます。
「いま家にいる?会いに行く、というメッセージでした。急に何なのと思いつつも、まぁ別れるときは顔を合わせて話すべきだよなと思い会ったんです。そしたら、床に頭をこすりつけるいきおいで、彼に土下座して謝られました。別れたくない…って」
さらに彼氏は、忘れてたわけじゃないんだと、誕生日プレゼントも渡してくれたんだそう。
「後から慌てて買ったんじゃないの?って思ったけど…私の好きなブランドのアクセサリーだったし、いつだか、それこそ喧嘩の絶えない時期に私がボソッと『これほしいんだよね』と言っていたものだったんです。それで、この人は本当に別れたくないんだなと思いました」
しかしお互いに激務で、これからもすれ違ったままの暮らしが続くことに変わりはないはず。そう思っていた恵さんに、彼氏はある提案をします。
「同棲しよう、という提案でした。それなら朝と夜は顔を合わせられるからって。忙しいのは仕方ないし、お互い仕事は大事にしようねって言って付き合ったから、尊重しあいたいけれど、2人で過ごす時間も大事にしたいって。…彼氏のその言葉を聞いて、もう少し付き合ってみようかなと思いました。
あと、無駄な喧嘩はやめようねっていくつかルールを決めました。悪いことを言ってしまったらすぐに謝る、喧嘩するときは5分のタイマーをセットする、タイマーが鳴ったらもう引きずらない、1日1回必ずハグをする…そうしたルールのおかげで『もう私たちは大丈夫かも』って思えたし、実際結婚もできて、いまは幸せに暮らせています」
別れを回避するために何をするべきか、しっかりと冷静に提案することは非常に大事かもしれません。また別れの原因を突き止め、二度と同じことを繰り返さないようルールを決めることも大切ですね。
結婚目前だったけど、彼氏の態度にもう限界だった
最後に話を伺ったのは、1年前に入籍したばかりという明日花さん(女性/29歳)。
明日香さんは結婚目前のタイミングで、別れの危機を迎えたそうです。
「ちょうど彼にプロポーズをされ、来月婚姻届けを出しに行こうか…というタイミングでした。彼に『顔合わせはどうする?』『式は何月くらいがいいかな』『結婚記念日はこの日がいい』『まずはお義母さんたちに挨拶に行かないと…』と話すと、彼がすべて『そういうのわかんないから任せるよ』と言うんです。それってすごく無責任だし、他人事感があって嫌だなと思いました。でも彼に、もっと真剣に考えてと言ったところで、彼は何も変わりませんでした」
義実家への挨拶や式の日程調整だけではなく、結婚するといろんな手続きも待っています。
男性は苗字が変わりませんが、女性は苗字が変わるため、保険や銀行口座など、さまざまな書類も変更しなければいけません。
それでも彼は、「自分には関係ないし」という態度を改めなかったそう。
「いままでもたしかに、デート場所は私任せだったし、同棲中に買った家具も全部私が決めたし、彼はとにかく口を出してこない人でした。よく言えば任せてくれるってことなんですけど、悪く言えば興味がない…めんどくさい、どうでもいい。
当時は『なんでも私の意見を肯定してくれてうれしいな』って思ってましたが、一緒に考えなければいけないことも出てくるのに、強力的じゃないのってすごく…腹立たしいですよね」
そんな不満が蓄積し、明日花さんは入籍予定の2週間前に別れを決意します。
「でも…別れようとすぐには言えませんでした。だからまず、『あなたは私が大して嫌がっていないと思っているかもしれないけれど、その態度が続くなら別れを考えています』と話しました」
すると、彼氏はやはり明日花さんがそこまで嫌がっていたとは気づいていなかったよう。
別れたくないと、その日から態度を改めるようになったそうです。
「こうしないなら別れるなんて言い方は脅しみたいでよくないのかもしれないけれど、自分がどれだけ苦しくてつらいのかを伝えたいときには有効な方法だなと思います。それでわかってくれるなら改善の余地ありだし、それでも本気で受け止めてくれないなら、それまでの相手だったってことなので」
その後彼氏は自分の意見も積極的に伝えてくれるようになり、無事に結婚することになりました。
「彼氏は『自分は決断するのが苦手だし、こだわりも特にないから、明日花に任せたほうがうまくいくなと思ってた』と言ってました。でもこだわりがなくたって『こんなことがしたい』って要望はあるはずだし、私に決断してもらいたいとはいえ、話し合いに参加して、何もかも私に丸投げしないってことはできますよね。
彼がそこに気づいてくれたので、あのとき別れのリスクを背負ってでも、正直に伝えてよかったなと思っています」
- image by:Unsplash
- ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。