出産が確定したら夫が「俺も育休を取る」と言い出し、ありがたいと思っていたのに現実は大違いで…なんて経験をした女性は多く見聞きします。
育児や家事を手伝ってくれるのかと思ったら普段以上にダラダラする夫を見て怒りしかないなんて、悲しいですよね。
「本当は休みたいだけ?」と感じる夫にイライラしないためにはどうすればいいのか、方法をご紹介します。
実際は「正直邪魔」?育休中の夫
「長男が産まれるとき、張り切って育休を取ってくれた夫とふたりで育児ができるのかと思ったら、ゴロゴロとスマホを見るばかりでおむつの交換をお願いしてもしぶしぶといった感じで、いないほうがマシと何度思ったことか…」(30代/教育)
「夫が育休を取ってくれて、いろいろと協力してくれるのはたしかにありがたかったのですが、自分のやり方にこだわるので意見がぶつかることが多かったのはストレスでした」(20代/サービス業)
「最悪だったのは、育休を取った夫が『キャンプに行く』と言い出したこと。乳飲み子を抱えて無理だよと答えたら、『え、俺だけだよ』と平然と返す姿に怒りで声も出ませんでした。家族のためじゃなくて遊ぶための育休なんて、本当にやめてほしいですね」(40代/営業)
これらは、実際に夫が育休を取ったという女性たちの体験談です。
もちろん「家事や育児を一緒にがんばってくれた」という声もありましたが、家族の状態をかえりみない姿に嫌気が差したという女性は想像以上に多い印象。
育休を取ることを、出産後の妻や子どもとの時間と考えるのではなく「育児に参加するポーズになる」のように捉えている男性は一定数いて、実態は自分がダラダラすることも目的に含まれるのですね。
こんな夫ならいないほうがマシで、夫婦としての愛情も、親としての信頼も育ちません。
こうならないためには、夫が育休を取ると言い出したときに対策することが必須です。
「休みたいだけ」の夫にイライラしないために
1.「育児休暇」の意味を正しく知る
「子どもの育児に自分も親として関わりたい」と思う意識を大切にするための制度が育児休暇であって、夫がラクをする期間ではありません。
夫が「育休を取りたい」と言い出したときは、まずその認識を確認することが重要です。
自分が休むための制度ではなく、夫婦で揃って育児や家事に力を合わせる期間だということを、前もって話し合っておきましょう。
育休を取るということは、子どもの夜泣きに対応したり、赤ちゃんの世話をしたりすることが「当然」であり、そのための決まりを考えることも、このときに意識したいですね。
「育休を取るのであれば自分も相応に労を負うのだ」という了解が、ダラダラする自分を正当化する理由を封じます。
2.「夫や親としてやってほしいこと」を伝える
まともに育児に関わりたいと思う男性でも、たとえば妻も自分も初めての育児ならわからないことが多いのは当たり前で、こちらから「こうしてくれたら助かる」と伝えるとスムーズに動けます。
二人目以降の子どもであっても、「何をしてほしいか」をあらかじめ伝えて具体的にどうすればいいかを決めておけば、夫も対応に悩む必要がありません。
おむつ替えの頻度に授乳のタイミング、そしてうえの子どもたちのお世話についてなど、育休中の過ごし方はふたりで決めましょう。
特に新生児のお世話はどうしても妻が中心になることが多く、細切れでしか休めないため、自分はどんな状況になるか「だからこうしてほしい」としっかりと知ってもらうことが肝心。
これも、「育児休業は自分を中心にできる休暇とは違う」という意識を忘れさせないための対策です。
3.「自分のことは自分でする」意識を持たせる
夫の育休がストレスになる女性に多いのが、「食事の用意や家事を普段と同じように頼んでくる」「自分は何もせず夫待遇を求め続ける」など、自己中心的な振る舞いを当たり前にする姿です。
新生児のお世話なら赤ちゃんを中心にした生活になるのが当然ですが、それを理解せず「これまで通り」を求めてくるのですね。
妻は赤ちゃんのお世話が第一であり普段通りには動けないこと、家事などで手が回らない部分はどうしても出てくることは、育休に入る前に夫は正しく理解しておく必要があります。
自分のことは自分でするだけでも妻の負担は減り、また食事を作るなど家族のためにできることは協力してほしい気持ちも、伝えておきましょう。
何もせず負担を避ける夫を見るとイライラするので、「こうしてくれると助かる」と同時に「自分のことは自分で世話をする」をしっかりと決めておくことが、夫を動かす下地になります。
4.家事は分担が当たり前
家事も妻がすることとして手を出さない夫を見ると、何のための育休かと思いますよね。
妻は赤ちゃんのお世話が中心で、自分が負担する部分が普段より増えるのは当然のことですが、「やり方がわからない」「後で文句を言われたくない」とやらずに済む理由を挙げる夫は実際にいます。
それを防ぐためにも、育休中の家事については「分担が当たり前」であり、夫が慣れない家事についてどうすればいいか、手順などを話し合っておきましょう。
よくあるのが「買い物を頼んだらまったく別のものを買ってくる」など夫の不理解から起こる衝突で、面倒でも「ブランドや金額まで明記したリストを作る」「わかりづらいものは写真を送る」などの手間も、このときばかりは受け入れるのが吉。
ストレスなく育休中を過ごすためには、自分も夫に歩み寄ってコミュニケーションを取ろうとする姿勢も、忘れたくないですね。
5.息抜きは必ずルールを作る
育休は子どもの育児のための期間であっても、たまには休みたいし息抜きは必要です。
夫婦揃っていれば、片方が家庭から解放された時間を持てるのも育児休業制度のメリットで、エネルギーの補給のために前向きな休息を取ることが可能。
夫ばかり息抜きするようでは怒りが溜まるので、「17時までには帰る」「必ず連絡がつくようにしておく」などルールを決めておきましょう。
なかには「妻が遊びに行くなんて、育児放棄だ」とトンチンカンな理屈を持ち出して家庭に縛ろうとする人がいますが、「育児はそもそも夫婦で協力することが大前提」であり、妻の休みたい気持ちを否定する権利は夫にはありません。
問題になるのはどちらかに育児を押し付けて自分は何もしない状態であり、慌ただしい毎日のふとした隙間時間に息をつく機会を作ることは、親として間違ってはいないという認識も、共有しておきたいですね。
- image by:Shutterstock
- ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。