「付き添い」を受け入れるのが友達なのか
いわゆる付き添いを頼まれて、あゆみさんはびっくりして「何で?」と聞き返したそうです。
「だって、ひとりで行くと何を言われるか不安だし…。怖いじゃない?」とAさんは声を落としますが、あゆみさんは「どうして私が」と疑問と反発で心がいっぱいになり、返事ができませんでした。
「いやさすがに、それはひとりで行くべきだよ。他人の私がいれば、その人は気分を悪くすると思う」とあゆみさんが言うと、「じゃあ、近くまで一緒に来てくれればいいから」とどこまでも自分のことしか考えていないAさんに、「もう我慢できませんでした」とあゆみさんは振り返ります。
「悪いけど、私は行く気はないから。自分のことなんだから私だったらひとりで行くし、誰かを巻き込もうとは思わない」と、いままでない強い口調で返したそうです。
それを聞いてAさんは「えっ?」と驚き、「ひどい。友達なら助けてくれるんじゃないの?」と非難がましい声で言います。
「友達ならそんなお願いはしないよ」とあゆみさんは答え、「悪いけど息子の水泳教室の迎えがあるから」と言って電話を切ったそうです。
自分の問題に他人を巻き込む人
「相手の人に私の存在を知られるのもイヤでした。その件にまったく関係ない人間なのに、ついてくるっておかしいですよね」
肩をすくめてあゆみさんは言い、「自分のお願いがどれだけ非常識なことか、まったく考えてないAさんにはついていけないと思いました」とLINEもいっさいしなくなったことなどを話してくれました。
その後Aさんから電話がかかってくることはなく、どうなったのか顛末はわかりませんが、後になって別のママ友から「こんな目にあったっていろんな人に吹聴している」と情報が入ります。
その話のなかにあゆみさんの名前は出ませんでしたが、「ママ友が言うにはとにかく自分の味方がほしいって感じらしくて、喧嘩になった相手のお子さんや親御さんや学校のことを、『あり得ない』とAさんは言い続けているそうです。でも、そのママ友も『弁償するのは当たり前だよね』と言っていて、そうだよねと返しながら、付き合いを切って正解だったなと改めて思いました」と、付き添いを拒否した自分を思い出したそうです。
自分の問題に他人を巻き込んで平気な人は、相手の気持ちを考えないだけでなく現実を客観的に見る力がないと感じます。
そのときの自分の保身や満足だけを「正解」にするやり方は、一方的なストレスをかけられる側にとって今後は遠い存在となる選択しか浮かびません。
友人であれそれ以外の人であれ、自分と等しく意思や立場があると想像することができれば、安易な「お願い」などできないはず。
存在を軽んじてくる人とは、居心地のいい関係は築けないのが実際の結果なのですね。
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