みなさんは、「妊娠する確率」をご存じですか?日経DUALによると、約25~20%、30代前半では約20~15%、30代後半では約10%、40歳になると5%以下になります。30代後半の健康な女性でも、100人のうち妊娠に至るのはわずか10人未満なのです。
現在は仕事を抱え、結婚時期もさまざま。不妊治療に悩む女性も多いと聞きます。このことから、子どもを授かることは容易でないことがわかるでしょう。
愛する人との新しい命を授かったときの喜びははかり知れません。しかし現代社会において、妊婦さんの多くが妊娠中・産後の不安にかられているのも事実。自身の心身の変化についていけず、また誰にも相談できずに悩みを抱えています。
さて今回は妊娠・出産を控える女性、将来出産を希望する女性にむけて、妊娠や育児に対して周りの力を借り、不安なく過ごせるのかということをいっしょに考えていきたいと思います。
エムティーアイが北海道在住の女性を対象に実施した「妊娠中から産後・育児までの悩みに関する共同調査」をもとに、妊婦さんの声に耳を傾けてみましょう。
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女性の社会進出による「ハイリスク出産」
「妊娠中に不安や負担を感じたことはありますか」「妊娠中に困ったことや不安だったことは何ですか」との質問には、53.8%の人が「時々感じた」、30.5%の人が「とても感じた」と回答。なんと8割以上の方が、妊娠中に何らかの不安を感じていたことがわかりました。
もっとも多かったのは「胎児の成長などへの不安」で66.4%。次に「出産自体に不安を感じている」で63.5%でした。兵庫県にある加古川医師会主催の健康大学の医師によると、一般的な妊娠の適齢期は20〜35歳と考えられており、医療や医学が進んでも生殖年齢は40歳を境に急激に低下するといいます。
35歳を過ぎると、卵子そのものが老化したり、染色体異常や流産の確立が高くなるようです。そのなかで女性の社会進出が進み、晩婚化や妊娠の高齢化が進んでいるため、「ハイリスク出産」ということを認識している方が多いのだと思います。
実際に35歳以上で初めて出産する人は「高齢初産婦」といわれます。ただ悲観するものではなく、個人差があることを知っておくべきでしょう。またきちんと自身の体に向き合い、病院を受診し、医師にきちんと相談することが必要です。
心身だけでなく、今後についての不安も
3番目に多かった不安は、「経済的な不安」で43.0%。厚生労働省は、経済的な理由から診察や定期健診を受けない選択をする妊婦を減らすため、支援に乗り出しています。医療機関での妊娠判定費用を全額補助する考えで、地域の保健師らが医療機関に同行するというシステムが検討されているようです。
次いで多かったのが、「自身の身体的な不安」で42.6%、「出産後の子育てについての不安」で41.4%。妊娠中は自身の身体的、精神的な負担だけではなく、今後の生活や経済面の不安など色々と考えてしまう時期でもあるようです。