こんにちは。韓国在住6年目、日本語教師でライターのHAZUKIです。在韓ならではの生きた韓国情報をお届けします。
韓国で話題の「非婚出産」。最近の韓国社会でこのテーマがどのように受け止められているのか、ニュースや日常の会話から感じたリアルな意見をお届けします。
「非婚出産」が話題になったきっかけ
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ここ最近、韓国では非婚出産に関するニュースが注目されていました。
大統領の戒厳令をきっかけにニュースで見ることは急に減りましたが、戒厳令の数週間前、有名俳優チョン・ウソンさんの婚外子に関する報道は大きな話題になりました。
彼はこれまでスキャンダルがほとんどなく、「誠実で性格がいい」と評価されていた彼の突然のニュースに、ショックを受けた人も多かったようです。
しかしその一方で「非婚出産の何が悪いの?」「結婚しない選択肢があってもいい」という意見も多く見られ、韓国社会の価値観が少しずつ変わってきているのを感じました。
年配世代の「非婚出産」のイメージ
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以前の韓国では、非婚出産は否定的なイメージが強かったようです。儒教の影響で、家庭に父親がいないことはできるだけ避けたいこととされていました。
韓国では子どもが父親の姓を受け継ぐのが一般的なので、ドラマのなかでも一人で子どもを産むと決めた女性に対して「この子を姓のない子どもに育てるのか?」というセリフがありました。
また、婚外子に対する偏見も根強く、最近あるテレビの相談番組で結婚を決めたカップルが相手側の両親に「父親がいないからがいないから」という理由だけでの結婚を拒否される話が話題になりました。
この話からも、まだ年配の世代には「非婚出産」に関してよくないイメージがあるんだと感じたものです。
最近の若い世代の「非婚出産」のイメージ
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最近では、結婚に対する考え方が大きく変わり、「結婚はしたくないけど子どもはほしい」という女性も増えてきました。
実際、非婚出産を選ぶ女性も少しずつ増えてきています。有名な例としては、韓国で活躍する日本人タレントのさゆりさんが挙げられます。
彼女はシングルマザーとして精子提供を受けて子どもを産み育てていますが、これが大きな話題となり「かっこいい」「無理や結婚するよりずっといい」と非婚出産に対する肯定的な議論を呼び起こしました。
また、非婚出産の女性の葛藤を描いたドラマも増えてきています。
たとえばドラマ『39』は、子どもを産みたいけど、仕事や相手探しで葛藤する女性を主人公にした作品でこちらも話題になりました。
さらに、韓国では結婚準備や費用がかなりかかるので、結婚そのものが「準備ができている人」だけできるといった風潮があるのも事実です。
離婚になった場合の金銭的・精神的ダメージも大きいため、結婚を急がず、まずは様子を見るというカップルも増えてきています。
このように、韓国では非婚出産に対する考え方が少しずつ変わってきています。
以前のような否定的な見方は減り、「結婚に縛られない形で家族を作るのもアリ」という意識が広まりつつあるんです。
結婚や家族の形が多様化するなかで、韓国社会も柔軟に変わり始めているのを感じます。
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