20歳年上の夫とマイペース高1息子と暮らすアラフィフ主婦ライター、塩辛いか乃です。
子どもを持つ持たないに関してはそれぞれの想いがあり、ほしくても持てない人、予定外に持つことになった人…いろいろありますが、なんとなく子どもを産むって「産むまで」にフォーカスされがちだと思います。
わたしももちろんそうで、「子どもができるってどういうことだろう?」と想像は一生懸命しましたが、その後の生活や自分の身体の変化まではあまり想像していませんでした。
だけどね、結婚も出産もそうですが「してからが本当のスタート」であることを痛感しました。
以前、帝王切開の体験談や母乳育児についてもお話ししましたが、今回は産後の身体の変化について、わたしの体験をお話しします。
- これまでの記事はこちらから読めます
- まさかの「緊急帝王切開」に…出産が怖いわたしのドタバタ出産体験談
- 「スパルタ母乳指導」にぐったり…産後間もないママが悲鳴をあげた衝撃の内容
人間って、「動物」なんだな…
出産というのは動物的イベントだな、と思います。
わたしのなかのイメージは、夫の地元、北海道で見た鮭の遡上と産卵。メスの鮭って、産卵のために川を上り、そこで産卵してお役御免で死んでいくんですよ。
千歳空港の近くにある「千歳 鮭のふるさと水族館」というところでは建物を川のなかに設置し、ガラス窓から千歳川のなかが見えるようになっていて、秋になると遡上した鮭を観察できるんです。
一度だけ鮭がたくさん遡上している時期に見たことがありますが、鮭のオスとメスが激しく動くなか、産卵を終え、力尽きて亡くなったメスのもチラホラ見える。
その姿は、産卵のためにすべてを呈し、自分の身体の栄養も力も使い果たして産卵し、役目を終えてボロボロになって漂っていました。
栄養をすべて卵に使い、役目を終えて川に漂うあのメス鮭の姿が、産後の自分と重なります。
産むまでの身体の変化も気になるし、無事に生まれてくるまでも大イベント。産後も赤ん坊を育てることに必死なので、自分の体のことなんてスコープ外。
何も考えていなかったけれど、こんなに変わるもんかと驚きます。
出産後すぐは、いままで子どもが入っていたパンパンのお腹がしぼんでいくのにもある程度時間がかかります。
なんとなくダルンと膨らんだお腹のせいだけでなく、出産までに体重もかなり増えているのでもともと着ていた洋服のサイズは合わず…。
わたしの場合は帝王切開だったので、お腹がしぼむことより手術の傷が痛くて困りました。
家にあるデニムパンツを履くと、ファスナーの部分がちょうど手術の傷にドンピシャに当たります。それが痛くてデニムパンツは履けませんでした。
スカートだとひらひらして子どものおむつ替えなどに邪魔だし、しばらくはガバっと履けるリラックスパンツを履くしかなかったです。
体重に関しては、落ちないと言っている人が多かったですが、わたしは母乳が出すぎてしまい、その出まくった母乳を息子がグビグビ飲んでいたので、みるみるうちに痩せていきました。
母乳は当然、自分の体内の栄養を使って作られています。そして自分で母乳の栄養を配合するわけにはいかないので身体が勝手に作るのですが、自分の子どもにあげるものなのだから、おそらくめちゃくちゃ栄養たっぷりだと思います。
妊娠中はよく「子どもの分もしっかり食べなきゃね」なんて言いますが、妊娠中ってほっといても体重増加するので、逆に太りすぎで妊娠中毒症のリスクもあるし「増やしすぎないように」と指導も入るんです。
つわりなどで食欲が出ないときもあるし、お腹が大きくなると胃が圧迫されてあまり大量に食べられないし。
栄養は当然お腹のなかの赤ちゃんにいくのですが、なんとなく「手持ちの栄養でやりくりできていた」という感じ。
けれど、産後の母乳はそれでは追いついてない感覚でした。
栄養をグングン持っていかれるので、食べても食べても痩せていく。もう体全体が「母乳工場」になったような気分です。
母乳の出がよく、息子も飲みまくるので、3000グラム弱で生まれた息子は、3カ月で8キロまで成長。
逆にわたしはその分の栄養を取られ、鎖骨がゴリっと見えるほど痩せていました。こんなに勢いよく体重が減ったのは人生で初めてかも、というくらい。
当時の写真を見ると「美しく痩せた」というよりは「栄養を持っていかれてやつれたなぁ」という印象。
息子は可愛いし幸せではありましたが、母の愛は栄養も惜しみなく子どもに差し出し、自分の身体がスカスカになっていく実感がありました。
身体はどんどん痩せていくのに、おっぱいだけはタンクのように爆乳になっていたのも驚きましたね。
若い女性のようなむっちりしたセクシーさはゼロで、もはや「母乳を飲ませるための道具」という感じ。
母乳を製造するためにマスクメロンのように血管がゴリゴリに出るわ、乳首は耐久性をあげるために黒くなるわ、プルンプルンというよりは「ごっついタンク」です。
はと胸だったわたしの胸は気づけば鎖骨がガッツリ見え、胸の位置も下がっていて、本当に女性らしさゼロで「母という生き物」に変貌していく自分をリアルタイムで観ていました。
人間って動物なんだな、としみじみ…。