知られていない妊婦さんへの支援
当然ですが、妊娠・出産にはお金がかかります。一般社団法人全国銀行協会によると、出産にかかる平均金額は「40万〜50万円」で、出産費用はすべて自己負担になります。
そのため、安易に子どもを産めないと考える方も多くいます。しかし実際には、公的支援があります。そのひとつが、一律42万円の「出産育児一時金」。ただし、健康保険に加入していることが条件になります。
また、働く母親には「出産手当金」「育児休業給付金」などのシステムがあります。これは健康保険に1年以上の加入が必要であり、細かい要件があるので、会社側に確認することも忘れないようにしましょう。そしてそれらをしっかり申請し、給付してもらうことを忘れてはいけません。また、妊婦検診は自治体によりサポートが違うので確認も必要です。
先ほどのアンケートで「妊娠中に利用したことのある支援」について聞くと、「何の支援も利用しなかった」と回答した方は36.8%にものぼりました。しかし自治体では、さまざまな支援を実施しています。
妊娠期初期から出産後の養育支援に関して医療機関との連携や継続的に支援をする制度。子育てに対する具体的なアドバイス。自身の体調不安などの相談窓口の準備。また、妊娠に対して経済的な支援制度も細かく指導してくれます。実際に赤ちゃんの具体的なお世話について学べる環境もあります。
まずは1人で悩む前に、地域の保健所などに相談してみてください。ひとりひとりの生活スタイルにあった相談にのってくれるはずです。
産後の悩みは人それぞれ
出産後体調や時期によって、人それぞれ抱える不安が生じてくるでしょう。妊娠中とはまた違う悩みにとまどう人も多くいるかと思います。
産後1カ月未満の時期に感じる不安や負担を聞いてみると、1位は「睡眠不足」で66.7%。次いで「出産・育児による身体的な疲労」で55.8%という結果になりました。育児に慣れず、数時間ごとの授乳や赤ちゃんがなかなか寝てくれないといったことから睡眠不足や疲労などで悩むママが多いことが伺えます。
また、産後1カ月を超えると自身の悩みだけではなく「赤ちゃんの健康や正常な発育についての不安」を挙げる方が55.3%にもなりました。
産後4カ月以降になると、自身や育児の悩み以外にも、家事のことまで心配が及ぶようになっているようです。これらの調査結果からもママたちの悩みや不安それぞれに対する周りのサポートが受けられると、より安心に自身のケア・育児ができるのではないでしょうか。