みなさんこんにちは。メンタルトレーナーの笹氣健治です。近年、「自己肯定感」という言葉をよく聞くようになりました。きょうは、この自己肯定感についてお話したいと思います。
あなたは、肯定・否定する対象ではない
自己肯定感が高いと、前向きにがんばることができます。逆に自己肯定感が低いと(自己否定感が強いと)、マイナス思考になり、不安や恐れを常に抱えることになります。
だからこそ、自己肯定感を高めるにはどうすればいいかということが、本やネットでいろいろいわれているんです。自己肯定感を高める代表的なものとして、
- 自分の強みは何か?を考えてみる
- 成功体験を積む
といったことがあります。たしかにこれらは効果はありますが、実は落とし穴もあります。というのも、そもそも「自己肯定感を高めよう」と考える時点で間違っているからです。
自分を肯定的にとらえているかどうか、と考える前提として、「こういうときは肯定できる」「こういうときは肯定できない」という思考回路があります。ここが間違っているのです。
そもそも人間という存在は、本来、肯定/否定する対象ではありません。「こういうときは肯定できる/できない」と判定するのは、私たちのなかにある価値観に照らし合わせてのことです。
その価値観はどこからきているのか、というと私たちが生きている現代の社会規範がベースになっています。その社会規範は、国や時代によって変わります。
そんなあやふやなものに立脚している価値観もまた変わり得るものであり、そんなものに照らし合わせて、自分を肯定したり否定するのは無意味なことではないでしょうか?
「自己肯定」ではなく、「自己尊重」を
では、どう考えればいいのか。私は「自己肯定」という言葉ではなく、「自己尊重」という言葉を使うことを推奨したいと思っています。「自分を肯定するかしないか」ではなく、「自分を尊重する」と考えるのです。
「肯定するかしないか」と考えると、どうしても何かの基準に照らし合わせてしまいがち。一方、「尊重」という考えかたには、何も基準は必要ありません。「尊重」をいい換えると、「そのままでOKである」「かけがえのない存在である」といった感じでしょうか。
自己肯定感が低いと思っている人は、自分を肯定しようと考えるのはやめて、自分を尊重しようと考えてみるといいかもしれません。「自分はかけがえのない存在である」このように、自分を尊重する意識を常に持つように心がけるのです。
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