こんにちは。よりよいコミュニケーションについてセミナー・講師をしている山本衣奈子です。
先日、「嫌味ばかりいってくる人にはどう対応したらよいでしょうか」とのご相談をいただきました。きょうは、その対処法についてお話しましょう。
「嫌味」の種類
わかりやすい嫌味をいう人から、チクッとトゲがあるような嫌味をいう人まで、言葉選びがやや攻撃的になりがちな人というのは少なからずいます。
たとえば、みなさんが服を買ったとして「これ買ったんだ!」と誰かにいったとします。
Aさん「いいね!似合ってるよ」
Bさん「そういう色味って合わせるの難しいけどね」
Cさん「お金がある人はいいよね」
Dさん「そういう若者向けのもの着れるってすごいね。私は歳を考えるともうそういうのは着れないな」
どんな反応をしようとその人の自由ですが、どういう言葉が返ってくるかで、印象はだいぶ違いますね。一番嫌味がないのはAさんでしょう。一番わかりやすい嫌味はCさんでしょうか。Bさんは嫌味というより、少々ネガティブ路線とも捉えられますね。
一番厄介な嫌味は、Dさんのようなタイプです。褒めているようで、実はものすごくけなしているような言い方。
上記のケースでは、仮にDさんが同い年であったとしたら、このメッセージが送っているのは「似合う」ではなく、「そんな幼い服よく着れるね」なわけです。BさんやCさんのように、ストレートないいまわしより、遠回しになるほど嫌味度が増しますね。
嫌味な人の対処法
嫌味が厄介なのは、「傷つく」というより「嫌な気持ちになる」ということです。致命的な傷を負うわけではないけれど、なんか嫌な感じ。モヤっとする感じ。毎回こんな感じのやり取りが続くと、ストレスは溜まる一方です。
そこで、嫌味をストレスに変えないための対処法が必要になるわけですが、一番のおすすめは「とにかく受け取らないこと」。これに尽きます。嫌味対応において最もNGなのは、反発です。
「なんでそんなこというの?」
「そういういいかたはないんじゃない?」
「すごく感じ悪いんだけど」
このように反応してしまうと、嫌味はさらにパワーアップしてのしかかってきます。
反発された側が、「そう思ったからそういっただけなのに、そっちこそなんなの?」となったりして、大変ややこしく面倒なやり取りが始まってしまうのです。嫌味に反応することは、ヘビにエサをやるようなものです。エサごと丸呑みされてしまいます。
反応しないためのおすすめのキーワードは、「どうかなぁ」です。受け取るでもなく、否定するでもなく、やり過ごすことができる言葉です。
「私はもう着れないな」「どうかなぁ」
「お金があるっていいよね」「どうかなぁ」
「そっちは楽でいいなぁ」「どうかなぁ」
「きちんとした返しになってないじゃないか!」なんておっしゃるかたもいますが、そもそもきちんとした返しをしようとしている時点で、必要以上に反応してしまっているんですよね。
普通の会話ならもちろん「きちんとした返し」を意識することが大事ですが、こと嫌味に対しては、いかに「反応しない」かがキモです。嫌味がストレスになるのは、つい反応してしまっているから。右から左へ受け流すことも、気持ちよく前に進むためにときには必要ですよ。
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