こんにちは。韓国在住歴3年、日本語教師でライターのHAZUKIです。Webメディア「by them」で、韓国の今を切り取り、生の情報をお届けしています。
韓国語で「占い」は「ジョム」といいます。以前、「韓国人の名付け事情」をご紹介した記事の中で、「韓国人は姓名判断のプロである命名士に依頼して、子どもの名前をつけるパターンが多い」ことをお伝えしました。
このことからも分かる通り、韓国はかなり占いを重要視する文化です。きょうは、「韓国の占い事情」をお届けします。
韓国で「占い」といえば、四柱推命
韓国でもっとも用いられている占いは「四柱推命(しちゅうすいめい)」です。
四柱推命とは、中国の陰陽五行説をもとにして生まれた占いで、生年月日や生まれた時間から、その人の生まれ持った可能性(運勢)を占うというもの。
韓国には占いの店が至るところにあります。観光地の真ん中にテントを立てて店を構えていたり、カジュアルな占いならカフェと併設していたりもします。
主に人気芸能人や政治家などが利用する超有名な占い師の予約は、インターネットなどからは取ることはできず、VIPの口コミや紹介だけで取ることができるのだそうです。
価格も1時間2,000円ほどのカジュアルなものから、1時間1万円ほどする本気の占いまで幅広くあります。筆者は経験したことがありませんが、さらに上には上があると思います。日本と同じですね。
では、韓国人はどのようなときに占いに行くのでしょうか?
「信じるが、信じない」韓国人の姿勢
基本的には、なにか大きい選択をする場合に占いに行くようです。筆者のまわりの友人・知人も、転職や人間関係で迷っているときに行ったりしているようです。
韓国人の夫も、このままいまの会社に居続けるか、ヘッドハンティングを受けた会社に行って挑戦するかを迷ったときに、何件も占いに行ったそうです。
政治家や事業家なども、最後の最後は占いを頼るという話もあります。
チョ・インソンとチョン・ウソンが登場する韓国映画「ザ・キング」は、検事と政治家のズブズブの関係を描いています。大統領選挙を控え、検事は「誰が大統領になるか」を必死に考えます。どちらとも手を組むように見せかけ、最後の最後に片方を切らなければいけないとき、超現実的な大の大人たちが必死で占いに頼っているのが印象的でした。
このような有力人物を占うときは、もしその占いが当たれば、かなりの報酬を受け取ることができ、将来的にも多くの仕事が舞い込むので、占い師たちも命を懸けて占います。
占いを活用する場面において、一般人と政治家や事業者たちに共通していることがあります。
正解がわからない選択をしなければいけないとき、完璧な準備をしたうえで、占いを頼るということです。最初から占いにすべてを任せたり、ただの運任せにするのではなく、最終的な判断の参考にするというイメージですね。
もしその選択が間違いだったとしても、占いのせいにする人はあまりいません。「信じるが、信じない」という感じで、筆者からするとかなり興味深いです。