学校への登校がなくなる夏休みは、自分たちは普段と変わらず仕事があるため「子どもたちにどう過ごしてもらうか」が共働き家庭では最大の悩みではないでしょうか?
特に子どもが小学生の場合は、ひとりでのお留守番は不安だし食事のこともあるしで、対策に頭を悩ませる保護者は多いもの。
共働き家庭では「小学生の夏休み」をどう乗り越えているのか、実際のケースをご紹介します。
長い夏休み、共働き家庭が抱えるこんな不安
夫婦が揃って働いている場合、子どもたちの夏休みは、自分たちがいない間に何をしているかわからないことが大きな不安のひとつだと思います。
高校生のように生活リズムをある程度は自分でコントロールできる年ならいいけれど、小学生だとまだまだそんな融通はきかないですよね。
子どもだけで留守番をさせられない不安には、「食事の用意」「宿題の進捗」「防犯」なども含まれるので、つきっきりでいられない共働き家庭には長期の休みは負担が大きくなるばかりです。
そんな現実を考えると、小学生がいる家庭では夏休みをどう乗り越えるかは、事前の準備が欠かせません。
子どもたちが安全に過ごせる場所をあらかじめ用意すること、考えておくことで、スムーズに夏休みを始められます。具体的にどんな手段があるのでしょうか。
共働き家庭は「小学生の夏休み」をこうやって乗り越える!
1.地域の学童や児童クラブを利用する
学童や児童クラブは、多くが1月ごろから申請の申し込みを受け付けています。
子どもが新1年生となる家庭でも、学校を通じて入学前の申し込みが可能なため、書類にはしっかりと目を通しておくことが肝心です。
学童や児童クラブは、普段の放課後だけでなく長期の休みは朝から夕方まで子どもを預かってもらえるのが最大のメリットですが、気をつけたいのは前もっての申請が必須であり費用もかかること。
夏休みだけ預かってもらうことは難しく、ほとんどが年度を通しての利用となるため(年の途中で退会するのは自由)、新学期が始まる前に申し込みを済ませておきましょう。
給食はないので毎日お弁当を作る負担が保護者にはかかりますが、宿題を進めることができて体調不良があったときもすぐの対応が可能なため、安心して子どもを預けられます。
2.祖父母を頼る
近くに自分の親や義実家がある場合は、夏休みの期間だけ預かりをお願いするのもひとつの手。
学童など外の場所を頼るより融通がきくうえに、自分たちの身内なら安心感も増しますよね。
一方で、まだまだ目の離せない小学生を一日見ていなければならない大変さが祖父母にはかかるため、甘えっぱなしは危険。
片方の実家だけ頼るのではなく平等にお願いをする、週5日ではなく3日にするなど、それぞれの両親とよく話し合ってストレスのない預け方を決めましょう。
筆者の友人のケースでは、どちらの実家に預ける場合でも子どもたちの食事代を渡すことで両親の負担を減らす工夫をしていました。
必ず宿題を進める、お昼寝は時間を決めるなど、メリハリのある過ごし方を考えたいですね。
3.サマーキャンプや夏期講習に行かせる
夏休みなど長期のお休みでは、市町村やいろいろな施設でサマーキャンプが開催されます。
1泊であったり1週間であったり期間はさまざまですが、学期中にはできない外での活動は子どもたちにとって貴重な経験であり、また思い出にもなります。
ほとんどが申し込みの時期が決まっているため、1学期は学校から配布されるお便りなどしっかりとチェックしましょう。
夏期講習やサマースクールを開く塾などもあり、勉強での弱点を克服する機会にもなるのが夏休みです。
無理強いするのはいいやり方ではないですが、子どもに過度なプレッシャーとならないよう通う期間を決めるのが正解。
遊ぶ時間ももちろん大事ですが、勉強に集中する習慣を続けることも、2学期からの学ぶ姿勢を助けるはず。
4.ママ友たちと協力しあう
子どもの学年が近いママ友たちと協力して預かりあう、という家庭もあります。
「午前中だけ」「児童館が終わってから夕方まで」など、柔軟な預け方ができて安心と言えますが、子ども同士があまり親密でない場合などはよその家庭で過ごすことがストレスになる恐れもあり、親同士の話し合いだけで決めるのは危険です。
筆者がお話を聞いた人のなかには、事故や怪我など何かあったときに責任の所在で揉めることを避けるために、遊ぶ範囲や過ごし方についてしっかりと決めておく、という人もいました。
また、預ける一方ではなく自分も負担を引き受ける機会を作るなど、ママ友との仲を悪化させない工夫も大切です。
親も子もストレスにならないために、ママ友たちと協力しあうときはルール作りを意識したいですね。
5.「ひとりでお留守番」は高学年になってから
5・6年生の高学年になると、家で留守番をさせるのがメインという共働きの家庭も出てきます。
自由に出入りができる児童館を利用したりそれ以降の時間は家にいたりと、子ども自身で活動をコントロールできるのですね。
お留守番をさせるとなるとやはり気になるのが防犯で、施錠の確認やインターフォンには応対しないこと、むやみに外に出ていかないことなど、家庭内でルールをしっかりと決めておく姿勢が欠かせません。
また、何かあったときにすぐ駆けつけられる場所を考えておくことも重要で、交番の場所を把握する、祖父母など連絡のつきやすい人と話し合っておくなど、子どもを孤立させないための対策も必須。
筆者の友人は「定期的にLINEでメッセージを送ってもらう」という決まりを作っており、親も子も安心して過ごせる工夫をしていました。
「小学生の夏休み」は親の働き方も変えてみる
テレワークが浸透してきたいまは、「子どもが夏休みの期間だけ自宅での勤務をお願いする」など柔軟な働き方も可能になっています。
そこまでできなくても、残業が難しいことをあらかじめ会社に伝えておいたり、有給休暇を使って子どもたちと過ごす時間を増やしたりと、夏休みの間は親自身も働き方を工夫することで子どもたちは「関心を持ってもらえている」という安心感を得られるもの。
学校が長いお休みになり行き場をなくすことが子どもにとっては最大のストレスになる可能性は高く、その不安と向き合う姿勢を忘れてはいけません。
小学生の夏休みは、親にとっても子どもにとっても、安心して過ごせる場があることが何よりの目標です。
1学期のうちからどうするかについて話し合い、計画を立てておくことを心得たいですね。
- image by:Shutterstock
- ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。