誰かに悩みを相談したとき、こんなことはありませんでしたか?
相手は一生懸命あなたの話を聞いてくれるし、すごく共感してくれている。けれど、なんとなく話しにくい。言葉にできない居心地の悪さを感じた。
そのような場合はたいてい、話す人のペースと、聞く人の相づちを打つペースが合っていないことが原因です。
では、どのように話を聞くと、相手に「楽しい」「もっと相談したい」と思ってもらえるのでしょうか。
今回は、すぐに実践できる、親近感や信頼感を得やすいコミュニケーション技法をご紹介します。
親近感や信頼感を抱く”ペーシング”
話し方や身振り手振りなどを相手に合わせることを、コミュケーションの技法で「ペーシング」と呼んでいます。このペーシングをおこなうことによって、相手に親近感や信頼感を抱いてもらいやすくなるのです。
つまり、相談者がなんとなく話しにくそうにしているときは、あなたの相づちがその人の話すスピードに対して遅すぎたりしていて、ペーシングが上手にできていないということ。
そういった状況ではあなたに対する親近感や信頼感を抱きにくくなり、「もっと話したい」「聞いてもらいたい」と思ってもらえなくなるかもしれません。
話の内容によって、相槌を使い分けよう
たとえば、「きのう、こんなことがあって」「こんな面白い人がいたの」など、楽しかった気持ちや出来事などを人と共有したい類の話をするときは、得てして話すテンポは速めになるものです。
その場合、合間合間に入れる「はい/うん」は、相手が話し終わる前にかぶせないよう注意を払いながら、半歩ほど早めに入れてみましょう。
そうすれば、「それで、それで?」と前のめりの姿勢で話を聞いている様子を表すことができます。
逆に、相手が早口で話しているのにあなたの相づちのペースが遅すぎると、「反応が鈍い」と感じたり、調子が狂ってしまったような気がして、相手は楽しい気持ちを共有できたとは感じられません。
また、深刻な話や遅いペースの話は、声を出す回数を減らし、相手の話すペースに注意しながら相づちを打つことを心掛けて聞くといいでしょう。
このように相手のペースに合わせて相づちを打っていくと、話はオチに向けてどんどん盛り上がっていきます。
ペーシングに細心の注意を払って聞くことは、カウンセリングの基本のひとつとされているほど大切です。どのような相づちを打つかということも大切ですが、ペーシングも同じくらい大切なのです。