友だちレベルの境界線
ある女性Mさんの話です。
彼女は、仲良くしている男性Hくんの家にひとりで遊びにいったのです。そして、その理由をこう語りました。
「私がHくんの家にひとりで遊びにいったのは、彼をお友だちだと思っていたから。もし、男として見てたらいくわけがないじゃない」
なるほど、こういう解釈もあるのかと学びました。
当事者Hくんは、「ひとりで家に遊びにくるのだから、その気があってのことだろう」と思っていたのです。私もそう思ってしまいました。
これは何を意味するのか?単純に「ガードが甘い」や「性的同意の勘違い」とだけいえば済む問題でもないようです。
男女の感覚の違い…?いや、そうではないでしょう。これは「友だちレベルでどこまでするか」という境界線の位置が違っていることを示しているのです。
さらにMさんはこんなこともいっていました。
「男の子がふたりで遊ぼうといってくれるのは、友だちとしての好意じゃないの?私も断る理由もないし、付き合ったんだけど…」
確かにそう考えられなくはありません。しかし、なぜその誘いが君にいったのか?別の人でも良かったのではないか?など、もう少し深く考えていくと無理があるような気もします。
彼は、友だちレベルを超えた関係を求めていた…と考えるべきでしょう。こんなふたりは、友だち以上恋人未満なのでしょうか?
ふたりの関係は、どこですれ違った?
「集合体の性能は最低なものに合わされる」
この意味、おわかりでしょうか?
たとえば、車のタイヤは4つでワンセットです。3つのタイヤは時速200kmまで耐えられても、残り1つが時速100kmまでしか耐えられない場合、車は100kmでしか走ることはできません。
先ほどのSさんとHくん。Sさんは彼を友だちレベルとしてみており、Hくんは彼女を恋人レベルとしてみている。さて、ふたりの関係は…?
そう、結局友だちでしかありません。このふたりは、友だち以上恋人未満でもないのです。
友達以上恋人以下でない理由
以下・以上はそれを含み、未満・超えは含みません。つまり、友だち以上恋人未満とは「(友だちから)恋人になる直前すれすれまでの関係」のこと。たとえばこういった関係です。
「お互いに恋人がいるふたり。それを崩してまで…とは思わないので、踏み入った関係にはならない。しかし気持ちは通じ合っている」
「お互いの気持ちは通じ合っているAさんとBくん。AさんはBくんにアタックしているが、Bくんはあと一歩どこか踏み込めない。しかしその理由はわからないし、Aさんとの関係を切ることはできないので、グレーな関係が続く」
恋人レベルになることをふたりが視野にいれているが、両方または、片方の意思で「恋人レベルになれない・ならない関係」。「心の恋人関係」こそが、友だち以上恋人未満の関係なのです。
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