『ほめ日記』を始めたころはそっとしておく
『ほめ日記』をまだ書き慣れていない人で、「過去の自分をほめられない」「思い出すとつらくなる」という人は、無理に過去を思い出そうとしたり、ほめようとしたりしないでください。
無理に思い出そうとして、マイナスの感情を引き出してしまうと、せっかく書いている「ほめ日記効果」が薄れてしまいます。
過去はそっとしておいて、ほかの項目(内面、行動、感覚感性、考え方、体、見た目、努力など)について、幅広い視点で自分を見てほめ続けましょう。そうするうちに、自己肯定感が上がってきて、自分を受け入れる気持ちや、家族を含め過去に関わった人たちへの受け止め方も変化してきます。
しかし、無理にではなく自然に過去のマイナスの出来事を思い出したときには、その苦難を乗り越えて、一生懸命生きてきた自分をほめてください。
『ほめ日記』に慣れたころに行う「ほめるワーク」
『ほめ日記』の書き始めのころに“そっとしておいた”過去に目を向けてほめるワークをします。
すでに自分をほめる「ほめ回路」もできてきているころですから、これまで否定的にとらえていた過去の自分についても、ほめられるようになっています。怖がらずに、トライしてください。ここは実践してみるとおわかりになると思います。
心からほめられなくてもOKです。悲しいこと、つらいことなどを子どもなりに耐えて生きてきたことを、初めは“アタマ”でほめるのでいいのです。
いま現在の肯定的になっている自分が、力のなかった子どものときの自分、未熟だった自分をヨシヨシとやさしく抱き寄せるイメージでほめてあげるのです。ただし、自分にはまだ無理だと思ったら、保留にしておきましょう。
「認めてくれなかった人たち」の視点を手放して
あい子さんのケースで説明すると──
学生時代にすごく頑張ったのに周囲からは一切認めてもらえず、挫折感や自己否定感を強くしたようですから、当時の「頑張っていた自分」に焦点を当てて、いまの成長したあい子さんが「えらかったよ、よく頑張ったね」と、ヨシヨシするのです。
頑張ることができた意志の力や技術的な能力、当時の志をシッカリ認めてあげるのです。
当時、認められなかったことは残念で悲しいことだったと思いますが、しかし、それは認めなかった人たちの問題なのです。
これまであい子さんは「認めなかった人たち」の視点で自分を見ていたので、立ち直るのが難しかったのですね。人がどう思おうが、あなたが頑張った事実については、あなた自身が認めてあげましょう。
気持ちが解放されて、いままでとは違う根源的な自信が湧いてきます。