妻は見えない家事の何にモヤモヤするのか
妻が見えない家事にストレスを感じるのは、見えない家事そのものが大変だということ以外に、以下のような5つの理由が考えられます。
1.夫の家事を妻がフォローしている
いまの時代は「男性も家事や子育てをするもの」という認識が定着しつつあり、夫婦で分担している家庭も少なくないでしょう。しかし「自分は家のことをやっている」と夫が認識しているのを見ると、どこか納得がいかない妻もいるかもしれません。
たとえば、夫が担当している家事が「風呂掃除」「皿洗い」「子どもを保育園に送る」だとします。しかしこの場合、洗剤やスポンジ・三角コーナーなどの購入や補充・交換、子どもの登園時の準備や着替え・朝食を食べさせるなどは妻がやっているケースもあります。
夫は純粋に「家事・子育ては妻と分担している」と考えているかもしれませんが、妻としては内心「本当はもっと細々とした作業があるのに」と感じることがあるでしょう。
その裏づけとして、厚生労働省が実施した「全国家庭動向調査」(2019年9月結果公表)でも、「普段『家事』として語られることの少ない『食品や日用品の在庫の把握』や『食事の献立を考える』などの日常的に必要な作業について、主に妻が担っている」と約9割の主婦が回答しています。
- 参考:厚生労働省
2.感謝されることが少ない
妻が見えない家事をいくらやっても、そもそも夫からはその家事の存在自体が「見えていない」ため、いくらやってもねぎらわれたりお礼を言われたりすることは少ないといえます。その結果、徒労感を感じる妻もいるでしょう。
ただし、見えない家事があることに気づいていない段階では夫も感謝のしようがないため「(見えない家事に気づかない)夫はひどい、気が利かない」などと考えてしまうのは早計かもしれません。
3.役割が固定化している
「気づいた自分がやったほうが早い」と考え、見えない家事の担当は妻というように、自然と役割が固定化してしまっている家庭もあるでしょう。
女性のほうがバランス感覚に優れ、マルチタスクが得意な傾向にあるとはいわれます。細やかな配慮ができる能力も高いことから、見えない家事に気づくのも、必然的に妻のほうになりがちです。
ただし、妻のほうが働く時間が長く、夫が家事・育児をする割合が高い場合など、夫が見えない家事に気づいたりやったりしている家庭があることも考えられます。「男女の性質の違い」のほかに「その家庭での役割」という要素も、どちらか一方に見えない家事の負担が偏る原因になりやすいでしょう。