みなさん、こんばんは。思春期・発達障害療育専門カウンセラーの飯塚ひろみです。「八つ当たり」は自分の正当性を確保するために、自分に起きたよくない結果に対して、何かと理由をつけたり、ほかのことに責任転嫁をすることから起こります。
こうした症状は、心の防衛機制の「合理化」に当てはまっていきます。そして誰かのせいにしてしまうのは、本当は「自分が責められたくない」という「不安や恐怖」の表れなんです。きょうは、子どもに八つ当たりをされたときの対応方法についてお話します。
言ってはいけない言葉
「子どもがキレて、八つ当たりをされてしまった」という経験は、思春期育児あるあるだと思います。お父さん、お母さんは何も悪いことはいっていないのに「お前のせいだ!」とキレられて、悲しい想いをしたという人もいるでしょう。
こうした症状は「心の防衛機制の合理化からくる八つ当たり」にも該当しますが、もうひとつの「置き換え」にも該当していきますので、説明していきますね。
この「置き換え」も、心の防衛機制のひとつです。お子さんが不安や恐怖を感じた場合、その不安や恐怖をもともとの原因となる人ではなく、代理となる人にぶつける心理なのですね。
たとえば、塾の先生から「もっと頑張らないと志望校に合格できないよ」といわれたときに、「本当に合格できるか不安でたまらない…」と感じた不安感を、塾の先生ではなく、お母さん、お父さんにぶつけてくるケースです。
「合格・勉強・受験」といった言葉に敏感に反応してくるので「合格できるといいわね」や「勉強はかどってる?」など、何気なく聞いただけでも「いわれなくてもわかっている!」「うるさい!黙ってろ!」と突如キレてしまい、何が起こったのかわからず驚いてしまったという方もいらっしゃることでしょう。
こんなときは、子どもが過剰に反応する言葉や行き渋っている場所などを思い出し、どのようなストレスを抱えているかを見つけていく必要があります。
間違っても「何よそのいい方は!」や「誰が養ってやっていると思っているんだ!」など、感情での返答は事態を悪化させてしまいますので、注意してくださいね。