「本当にやりたいこと」は、なぜわからない?
ここではっきりお話しておきたいのですが、「やりたいこと」というのは、「まだ何もしていない状態で、ポーンと頭のなかに浮かんでくるもの」ではありません。
「やりたいこと」というのは、「何かをやっているうちに見つけることができる」といえるもので、そもそも選択をしたり、判断したりするためには、比較対象のものが必要になります。
「Aよりは、Bのほうがやりたい」「Bよりは、Cのほうがやりたい」というふうに、比較する対象を理解しなければ、選択の余地は生まれません。
まずは、あなたにできそうなことを調べたり探したりしてみなければ、いまのあなたに選択肢がどの程度あるのかもわかりませんし、実際にやってみなければ、「これよりも、こっちのほうがよさそうだ」ということがわかってきません。
というわけで、何もせずに考えているうちは「やりたいことがない・わからない」のが当然ですし、「本当にやりたいこと」というのは、そんなに簡単には見つかりません。つまり、「本当にやりたいことがわからない」というのは、「探し方が足りていない状態」にあるといえます。
どんなにあなたが「探したけれど見つからない」と考えていたとしても、恐らくはこの広い広い世界に対する狭い範囲・少ない対象を探したといっている状態で、充分に多種多様なことをやってみた結果「もうわからないのでどうしようもない」のではありません。
こういうふうに理解しようとすると、「何かを始める」って、本当に面倒くさいことをするということなのかもしれないと思いませんか?…そうなんです。
「本当に面倒臭いことを始めなきゃいけないんだな」ということがわかっていなければ、「本当にやりたいこと」なんていう宝箱には、たどり着けないのです。