思春期のせいにするのは「逃げ」ではない
…と、何かのせいにすると必ず、「子育てから逃げるな」「向き合っていない」というかたがいます。
しかし、どうにもならない「思春期の脳」が相手である以上、向き合う側も「そうか、いまはこの子の脳に性ホルモンが刺激を与えているから過敏に反応してくるんだな」と思うほかに、手立てがないのですね。性ホルモンの分泌を止めることは、親にはどうすることもできません。
というよりも、こうした反抗的な言動をされたときに、我が子を責めてしまったり、自分の子育てが間違っていたのではと自分自身を責めてしまうよりかは、思春期の脳のせいにしてしまったほうが、精神衛生的にもいいと私は思います。
「あなたはいま、脳が成長をしている段階なのよ、だからイライラしてしまうの」「この時期は脳の扁桃体が活性化する時期だから、心配しなくてもいいのよ」と、子どもにも説明してあげられます。
自分自身にも「そうか、これが思春期の脳のメカニズムなのね」「うちの子も脳の成長が始まったのか、ならば仕方がないな」と、一旦腑に落とすことができます。
人は、何かしらの理由や原因が突き止められないと、不安になる生き物です。思春期に対してマイナスイメージが強いのも、研究がされてなかったがために、メカニズムがわからなかったから。
でも、いまは違います。研究者たちによって、科学的に解明されてきた結果を受け止めながら、私達親は思春期という時期に向き合うことができる時代です。
もし、思春期の子どもとの関係で苦しまれているかたがいらっしゃったら、「この子の脳が大人になるために成長を始めたんだな」と思うようにしてください。
一度こう思ってから、日常のなかでの接しかたを変化させていきましょう。お子さんに発達障害がある場合も必ず思春期はやってきますので、お子さんの特性と思春期とをわけて考えてあげることが大切です。ぜひ、思春期についても学んでいただければと思います!
きょうの実践課題
- 思春期の子どもの脳の変化について、子どもにどう話してあげようと思いますか?
- 子どもとの関係がうまくいっていないときに、自分自身へどう言葉を掛けていこうと思いますか?
- 思春期という時期の子育てについて、世間での誤解や偏見をなくしていくにはどうしたらいいのか、考えてみましょう。
お手元のノートで書き出してみてくださいね。書き溜めたノートは世界にひとつだけの教科書になっていきます。
- image by:Unsplah
- ※掲載時点の情報です。内容は変更になる可能性があります。