みなさま、こんにちは、思春期・発達障害療育専門カウンセラーの飯塚ひろみです。
以前、子育てのポイントとして「名案・妙案」に頼らないこととお話しました。ひとつの方法に捕らわれてしまうと、それがうまくいかなかったときに身動きが取れず、苦しくなってしまうのですね。これ、「子育て」人生すべてにあてはまりますので、仕事や人間関係でも応用してみてください。
さて、子育ては何と言っても子どもとのコミュニケーションの積み重ねです。親は365日子どもと過ごし「日常生活」を営んでいきます(先生も多くの時間を子どもと過ごしていきますよね)。
うまく会話が進むときもあれば、うまくいかないときもある。特に、思春期以降の子どもとのコミュニケーション、そして発達障害のマイルール(特性)を持つ子どもとのコミュニケーションを難しいと感じ、悩まれるかたも多いでしょう。
そこできょうは、思春期以降の子どもとのコミュニケーションで心がけたいポイントについてお話していきたいと思います。
「ナナメの関係」と「ナナメの会話」
子どもにはそれぞれに個性があるので「これをやっておけば絶対にいい・確実」と、断定ができません。ですが、子どもとの関係回復に効果がでてくる方法がないわけではありません。
それは「ナナメの関係・ナナメの会話」です。「大人と子どもの会話」だと、どうしても上下関係になりやすいのです。大人がうえで、子どもがした、つまりは「ああしなさい、こうしなさい」という、注意・指摘が中心の会話になってしまうのですね。
「宿題はやったの?」「忘れ物は?チェックはちゃんとした?」「またスマホやってる!」…こうした会話、身に覚えがあるかたが多いのではないでしょうか。
そして、子どもからの返答はというと「うっせーな!」「うざい!」「いまやろうと思ってたんだよ!」の、どれかだと思います(もしくは無視して部屋に行ってしまう)。
なので、「思春期・反抗期に入ってきたな」と感じる場合は一度、上下の関係を見直しつつ、「ナナメの会話=他愛もない話、どうでもいい話、答えのいらない話」をしていきましょう。
ナナメの関係は上下ではなく横や一歩引いているイメージです。1番わかりやすい位置は、親→運転席、子ども→助手席の位置関係で話をする感じですね。この時期の子どもに対してだと、8割はナナメの会話で十分です。
- 子どもの好きな芸能人の話
- 洋服やコスメ、髪型について
- 好きな異性の話
- マンガ、アニメ、ゲーム、映画などエンターテインメントの話
などを聞いていくと、子どもも話をしてくれます。このナナメの会話にでてくる内容は、親からしたら大半がどうでもいい内容だと思います。それよりも、進路や受験、勉強、宿題などを話し合いたいと思うことでしょう。
でも、この他愛もない日常会話を積み重ねていないのに、確信をついた話や本音に触れることはできません。というより、子どもが拒否反応を示し、触れさせてくれません。
「自分の話を全然聞いてくれない」「いつも勉強勉強ってうるさい」「自分がしたい話をさせてくれない」こうした不満が反抗という形で返ってくるのですね。なので、思春期に入ってから「なんか突っかかってくるな」「扱いにくいな」と感じた場合は、会話を切り替えていきましょう。
このときのポイントは「子どもにその楽しさを教えてもらう」という姿勢です。ゲームやアイドルのことなど、わからないなら分からない立ち位置を示し、「どうしてこれを好きになったの?」「どんなところが楽しいと思えるの?」と聞きながら会話を膨らませてください。
きょうの実践課題
- あなたが最近、子どもとの会話でうまくいかなかったなと思った場面はどんなときでしたか?会話のテーマやシチュエーションも併せて書いてみましょう。
- ナナメの会話について、普段、子どもの好きな物や興味のあるものの話をしていますか?ナナメの会話をしているときの子どもの様子も書いてみましょう。
- 子どもの勉強や生活習慣について、口出ししてしまいたくなるのはなぜですか?自分の気持ちを書ける書き出し、可視化させてからひとつひとつに改善策を作っていきましょう。※勉強している姿を見ると安心するから、勉強しないと周りから遅れてしまうのが心配だからなど。
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