こんばんは、前田泰章です。今回は、なぜ人は「お先真っ暗」に不安を感じるのかということについてお話したいと思います。
なんで不安になるの?
人はなぜ、不安になってしまうのでしょうか?まず、「お先真っ暗」という言葉をイメージしてみてください。明るいですか?暗いですか?きっとだれもが「暗い」と答えるはずです。では、「暗い」イメージを頭に思い描くと、どんな気持ちになるでしょうか?
カウンセリングの現場で、クライアントさんに同じような質問をすると、「不安な気持ち」「怖い」「絶望的な感じ」といった答えが返ってきます。あなたも、同じようなマイナスな感情を持つのではないでしょうか。
ではなぜ、暗いイメージを思い描くだけで、不安な気持ちになるのか?それは人の思考パターンが原因です。人は先が見えない状況や正体がわからないものに、不安や恐怖を抱くものです。
真っ暗な何も見えない場所に置かれたときはもちろん、そういった状況を想像するだけで、「もしかしたら暗闇のなかに、何か危険なものが潜んでいるかもしれない」「誰かが襲ってくるかもしれない」と悪い想像ばかりをして、怖くなったり、心配になったりします。
テレビのバラエティ番組でよく見かける「箱の中身を当てるゲーム(箱の中身はなんだろうな?)」は、そんな人間の心理をうまく利用しています。箱のなかには何が入っているのかわからない不安と恐怖で、挑戦者は箱に手を入れるだけで大騒ぎ。
さらに、手に何か触れようものなら、怖くて反射的に手を引っ込めてしまいます。手にチクっとした感覚があれば、「何かに噛まれた!」「もしかしたら、タランチュアの毒針!?」と悪い想像をして、さらに恐怖が倍増します。
ところが、箱の中身が「タワシ」だとわかればどうでしょう?何も怖くありませんよね。だれもが躊躇なく箱に手を入れられるようになります。
私たちが抱く不安も同じようなものです。先のことはだれにもわかりません。だからこそ、未来のことを考えると悪いほう、悪いほうへと想像が広がってしまい、不安になりがちです。
そして、怖くて箱のなかに手を入れられないように、何も行動が起こせなくなります。「先が見えない不安」は、行動の最大のハードルになるのです。
それでも、自分で意識的に「いま現在」に思考を戻し、気持ちを立て直せばよいのですが、見えない未来のことをいつまでも考えてしまうと、心は不安で満たされてしまいます。