みなさん、こんにちは。無料メルマガ「コロンブス的・超発想で、中学受験を成功させる方法」の著者で、合格の伝道師、ミスター・ツカムです。
きょうは、「子どものやる気とご褒美」について考えてみたいと思います。
ご褒美で「やる気」は引き出せる?
「これができたら何かを買ってあげるよ」とか「ここまで頑張ったらケーキを食べていいよ」などと、アメとムチのアメ作戦で子どものモチベーションを高める。この作戦は良いのでしょうか、悪いのでしょうか?
その前に整理しておきますね。
人間が行動するのは、「痛みを避け」て「快楽を得る」ためです。
「痛みを避ける」とは、塾のクラスが下がるのがはずかしいので、しっかりと復習してテストに備える、6年生で逆上がりができないのは恥ずかしいので、放課後練習してできるようになる、というものです。
もうひとつの、「快楽を得る」とは簡単ですね。気持ちの良い方へ動くということです。夏の暑い日は、冷房の効いた部屋に行きたくなるし、どうせ餃子を食べるなら王将に行きたくなる…のは、ミスター・ツカムだけでしょうか?(笑)
これを踏まえた上で「やる気とご褒美」について考えると、人間は快楽を得るために行動するので、「これができたら○○を買ってあげるよ」的な提案は、ある意味やる気をアップさせ、行動を起こすことにつながります。
ご褒美よりも「やる気」を高めるもの
このように外的なものに動機づけられることを、「外発的動機づけ」といいます。それに対して、自分の内側からわき起こるどうしてもやりたいという行動を「内発的動機づけ」といいます。
このどちらの動機づけが、モチベーションに影響を与えるか。興味深い数多くの実験がなされています。
心理学者エドワード・デシ博士はこんな実験をしました。
被験者が個室でパズルを解く。とても面白いパズルなので、被験者は休憩時間も夢中になってパズルに取り組んでいます。ところが、パズルを一問解くごとに1ドルずつの報酬を与えたところ、被験者は休憩時間はパズルを解かずに休むようになりました。
つまり、外発的動機づけによって、やる気は失われていった、ということになります。
「本当に楽しくてやっているんだ。何かがほしいためにやっているんではない」と、脳が無意識的に拒否して、やる気がなくなったのかもしれませんね。
中学受験生に、この実験の結果をあてはめることはできません。ご褒美で「やる気」を起こそうとしても逆効果である、とは一概に言えないと思います。
しかし、お子さんが本当に楽しみを発見して、学習する習慣がついたのなら、内発的動機づけが発動して、とてつもない成果が期待できるということですね。
もともと人間は、学ぶことが大好きなのです。どうしたら内発的動機づけが生れるのか?についても、試行錯誤してみてください。
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