いま読まれてます
16 件こんにちは。メンタルトレーナー＆心理カウンセラーの吉田こうじです。大人になってもあなたを苦しめる『「毒親の呪縛」を本気で断ち切る実践トレーニング』を連載しています。
本記事内に登場する「毒親」とは
子どもに対する拒絶、侮蔑、無視、過干渉、虐待などによって、子どもの心身に罪悪感、劣等感、不安感。過剰な義務感、不足・欠乏感、羞恥心、無価値感などのネガティブな思考や感情を継続かつ執拗に植え付け、それによって子どもを「自分の所有物」かのようにコントロールする親のこと。また、「親」とは実の親のみならず、「親代わり」の身近な人も含めます。
前回は「毒親」からの呪いを断ち切り、自立した人生を生きていくために避けては通れない「許し」について、僕が考えている3つの視点をお話ししました。
しつこいようですが、「親を許さなければならない」ということをお話ししたいのではありません。そもそも許せないのが当然です。（厳密には「許さない。許したくない」ですが）。許したくないものを無理して許す必要はないので、どういう選択をするのも自由です。
とはいえ、恨み辛みなどの取り戻せない過去に執着し続けることは、あなたのこれからの人生に役立つのかどうかは考えておく必要があるはずです。
もし、過去ではなくて「いま」そして「未来」に向かって前向きに生きて生きたいと思うのであれば、「許す」「恨み辛みへの執着を手放す」ということを考えてみてもいいのではないでしょうか、ということを言いたいのです。
まだ、前回の記事を読んでいない方は、まずはそちらを読んでみてくださいね。
これから、「許し」の3つの視点について、ひとつずつ具体的に深掘って行こうと思います。
1つ目の視点：復讐したい感情に折り合いをつける
image by:Unsplash
まず1つ目の視点は、「あいつに罪を償わせてやる！」「もっとひどい目に合わせてやる！」といった“復讐”の誓いを立て、それに自分の大切な人生を使うことはまるで無益なことなのだという視点から、怒りと向き合ってみるというものです。
私たちはよくも悪くも「返報性の原理」によって、相手から嬉しいことをされれば自然と恩返ししたくなるし、相手から嫌なことをされたら仕返しをしたくなるという感情が湧き上がってきます。
ポジティブな返報性は人間関係を円滑にしますが、ネガティブな返報性は人間関係を地獄の戦場へと変えてしまいます。
ドラマ「半沢直樹」で「倍返しだ！」という主人公のセリフが喝采を浴びましたが、現実世界で倍返しをすれば、相手の恨みを買い、さらなる倍返しがやってくるという、泥沼の倍返合戦になってしまうのは想像に難くないと思います。
また、確かに復讐を果たすことで一瞬心がスッキリするかもしれませんが、スッキリしたからといって建設的に前向きに自立に向かうことができるかといったら、そんなことはありません。
むしろ、「復讐する」という、たとえネガティブなことだとしても生きるための重要な心の支えとなっていたものを、復讐を果たすことによって失ってしまうことで、生きる意味を見失ったり進むべき未来を見失ったりすることは少なくないのです。
仕返ししたいという感情に折り合いをつけることは、実際とても勇気がいることです。
しかし、もしも勇気を出して過去の恨み辛みに折り合いをつけ、過去の怒りへの執着（依存）を乗り越えることができたら、それは「親を乗り越えたこと」であり、「毒の連鎖を止めたこと」であり、「親よりも成熟した大人になったこと」なので、あなたの大きな自信につながります。
そのため、実は1つ目の視点は僕的には結構オススメです。
実際、「仕返ししてやる！」というネガティブな返報性の原理から意識的に抜け出すことは、毒親に対して溜め込んだ怒りと向き合い、共感＆受容しながら、結果として「許し」につなげていくという、ハードですが心の健全化にも役立つアプローチなのです。
そこで今回は、このアプローチをする上でヒントとなる質問をいくつかご紹介しますので、できるだけ客観的な視点で考えて答えを出してみてください。
しつこいですが、くれぐれも、「無理にでも許そう」「無理にでも癒そう」みたいな心構えでは考えないでくださいね。それは結果として怒りを抑圧する方向にあなたを向かわせてしまう可能性がありますから…。
1 2
16 件