親と対峙するための具体的なアクション
そのうえで、改めて具体的にお話ししますが、3つ目の視点から怒りと向き合うためには、「縁を切る覚悟で、親に最後通牒を突きつける」「どうせ和解できっこないということを覚悟して、親子喧嘩を厭わずに本音を伝える」という、具体的なアクションが必要になります。
「それだけは絶対に無理!」って思いましたか?
でも慌てずに、少しクールダウンして続きを聞いてください。
もちろん、行き当たりばったりでは玉砕するだけなので、しっかりした事前準備は必要です。また、親の体調や精神状態、年齢などへの配慮も必要です。
それと、親子喧嘩とはいっても、何も殴る蹴るとかをしましょうといっているわけではなく、むしろ極めて冷静すぎるくらい冷静に喧嘩をすることが大前提です。
喧嘩というか、「言いたいことを一方的に言い放つ」「言いたいことを伝え切る」という表現の方が近いかもしれません。
毒親と対峙する際の注意点と効果
では、どのような準備をすればいいのかということですが、それは2つ目の視点のところでお話しした、「これさえ伝えることができたら悔いはないと思える“毒親に言いたいこと”をノートや手紙にしっかりと整理しておくこと」、そして「感情的にならず冷静に読み上げる練習をすること」です。
そうしたノート(手紙)が手元にあれば、感情的にならずに粛々と一方的に読み上げることもできますし、最悪、親が話を聞いてくれなかったり、罵倒し始めたり、逆ギレしたりした際には、そのノート(手紙)を毒親のところに置いて立ち去ればいいわけです。
経験上、毒親に勇気を出して本音を伝えた結果、ほとんどの場合は、「忘れたふり」「否定」「隠蔽」「責任転嫁」などによって、自分がしてきた非人道的な所業を認めようとはしません(素直に認めるくらいなら、そもそも毒親になっていないかと思います)。
勇気をふり絞って本音をぶつけても、それを認めることも受け入れることもなく、わが身かわいさばかりで逃げ続けたり逆ギレしたりする親の姿を実際に見ることで、「ああ、何を言ってもだめなんだ…」と心底感じ、親に対する怒りや憎しみを内包し、苦悩し続けていること自体が馬鹿らしくなるというか、どうでもよくなっていく…。
こんなふうに、毒親と勇気を出して対峙することで、「何かを期待して頑張っても時間の無駄だな…」と親への思い(執着)をバシッと切り離す心理効果があるのです。