みなさま、こんにちは。思春期・発達障害療育専門カウンセラーの飯塚ひろみです。思春期の性教育について、今回は「生理」についてお話しします。
「生理」と聞くと、男性は関係ないと思ってしまいがちですが、それは間違いです。
正しい知識を知っておかないと「生理は甘え」「生理なんて大したことない」と誤解や偏見を持ってしまいますので、男性もぜひ学んでくださいね。
「生理は男性に関係ない」は間違い
更年期にも生理は関わるので、生理は長い間、女性の身体と人生に影響を与えるもの。しかし、「更年期の症状を夫に話したらふーんで終わってしまった」と、夫に理解してもらえなくて、もやもやしたことがあるかたも多いのではないでしょうか。
これは、決して妻を理解したくないわけではなく「わからない」のです。夫もしっかりと学んで、正しい知識をつけていくことは夫婦円満でいるためのひとつの秘訣とも言えるでしょう。
もちろんですが、学んだからと言って思春期女子にお父さんを含めた大人の男性が直球で話をするのはNGですよ。思春期女子はとても繊細なので、あっという間に「きもっ」と心を閉ざしてしまいます。
少し前に男性教員がプールのずる休みを避けたいがために、女子の生理周期を報告させていたことがニュースになっていました。これも言語道断でNGです。先生だからと言って、本人に直接言わせるなんて1歩間違えば不登校になりかねません。
「ずる休みを防ぎたい」という大義名分で聞き取りをしていたと言っていましたが、この時点で「子どもはずる休みをするもの」と生徒を信じていません。
「自分は、生徒が言ってきた言葉を信じる」こうした大きな心を持って接して行かなければ、子どもは先生を信じてくれませんし、尊敬もしません。「あの先生、はなっから疑って掛かってるよね…」と、信頼をなくし、どんどん溝ができるばかりです。
家族でできること
さて話を戻しますが、生理から生理までの約1カ月間、女子は4回性格が変わると言われています。時期によって性格、態度が変化しますので、大切な話をしたいときはタイミングを見てしていきましょうね。
そして、生理痛が酷い、気持ちが落ち込む、頭痛や腰痛など生理前症候群(premenstrual syndrome:PMS)が酷いときは迷わず婦人科を受診しましょう。
薬は西洋医学・東洋医学の双方から相性をみていくことをおすすめします。子どもによっては漢方のほうが相性がいいという子もいますので、薬と体調の変化をノートに記入しながらお医者さんに相談してみてくださいね。
風邪をひいたら内科が当たり前のように、婦人科を受診することは恥ずかしいことでも悪いことでもありません。なので、お母さんが嫌そうにしたり、恥ずかしそうにしたりしないようにサラッと伝えながら一緒に病院に行ってあげましょう。
女性医師がいるところが望ましいので、お子さんと一緒に検索しながら「ここがいい」という病院を見つけてください。
もし、行くのを渋っているようであれば無理強いはせず、「内科や歯医者のように、それぞれ掛かりつけの病院を持っておくと安心できるよ」と声掛けをしてあげてください。行くか行かないかを決めるのは本人なので、問い詰めたり誘導尋問しないようにしましょうね。
ほかにも、生理の際に使用するナプキンにも相性があったりします。
「何を使ったらよいのかわからない」「どれを使っても同じ」と思っているかたも多いのですが、デリケートゾーンはその名の通りデリケートなので、皮膚トラブルを起こすこともあります。
コットン配合のものや、肌に優しいものをいくつか試し、本人に一番合ったものを身につけましょう。
布ナプキンもありますので、ナイロンで皮膚トラブルを起こしてしまったときは試してみるのもひとつですよ。
さらに多い日、夜、運動時など、ナプキンにも用途がありますので、複数準備し「こんなときはこうする」と使い方を教えてあげてください。
女子あるあるでは「可愛いパッケージ」のものを好む傾向が高いです。「もー、割高で困るわー…特価のじゃだめなの?」と家計を預かる母の声が聞こえてきそうではありますが、本人がそれを学校に持って行きたいというのであれば、迷わず購入してあげてくださいね。
生理が重く、辛い場合の対処法としては、整体やマッサージがあります。信頼できる整体師を見つけておくのもいいですし、お母さんが背中や腰回りをマッサージしてあげるのもスキンシップになりますよ。
可愛いもこもこパンツも売っていますので、冬の寒い時期に使用したり、とにかく体を冷やさないようにしてあげてくださいね。
このように「生理にまつわるあれこれ」を、ご家庭のなかでお母さんと普通に話せることが理想です。お母さんは娘の生理周期や症状を把握しながら、お父さんや男の兄弟に「○○はいま、女の子の日だからそっとしておいてあげて」と、協力を促しましょう。
きょうの実践課題
- 女の子がいるご家庭について。子どもと生理について話をしていますか?子どもがどのくらいの知識を持っているかを確認し、間違っているところがあれば補足や訂正を丁寧にしてあげましょう。
- 男性のかたは、女性の身体の変化について再認識するとともに、生理でのトラブルが女性の身体やメンタルに影響を及ぼしている際には無理をさせないようにしていきましょう。
お手元のノートで書き出してみてくださいね。書き溜めたノートは世界に一つだけの教科書になっていきます。
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