こんにちは。神戸メンタルサービス代表の平です。
恋愛に関するご相談のなかで、「いつかきっと彼に見捨てられてしまう」という“見捨てられ不安”を訴える女性は多いもの。
きょうは、この“見捨てられ不安”についてお話しします。
いつかきっと彼に見捨てられてしまう…
“見捨てられ不安”をもっている人の多くは、コンプレックスが強く、「自分のすべてを知られてしまうと、きっと自分は嫌われる」と思い込んでいらっしゃいます。
そして、このタイプの人は「何かしないと、自分は愛されない」と思っているので、常に「何かしよう、何かしよう」としてしまいます。すると、彼から「ちょっとはゆっくりしなよ」などと言われるのですが、それでまた不安になったりもするわけです。
なぜなら、「何もしてあげられない私には、何の価値もない」と思ってしまうからです。
“見捨てられ不安”をもっている人の多くは、完ぺき主義者であることが多いのですが、完ぺき主義者というのは、耐えず自分の失敗に支配されながら生きているといってもいいでしょう。
完ぺきを求める心の裏側にある行動心理は、「失敗したくない」「失敗しない」「失敗はイヤだ」というもので、つまり「失敗してしまうのではないか」という不安からきているからです。
すると、本当に楽しく完ぺきなデートができたとしても、「次回もし失敗してしまったら、今回のデートの成功の意味がなくなる」などと考えてしまいます。せっかくの成功が、プレッシャーやストレスになってしまうのです。
すると、成功すればするほど、そのプレッシャーは目の前で風船がどんどんふくらんでいくように大きくなっていきます。
ふくらみ続ける風船はいつか割れるわけですから、それを見ている間、心は「まだ割れないか」「もう割れるか」「早く割れろよ!」とおそれを感じ続けています。
パートナーシップにおいても、二人の関係がどれだけうまくいっていたとしても、「きっと何かが起こる」「好きになればなるほど、うまくいけばいくほど、自分は最後にひどい目に遭うに違いない」などと考えているわけです。
それをおそれるあまり、「もうパートナーシップなんかもちたくない」とパートナーシップ自体を放棄してしまう人もいます。
たとえば、ご両親の離婚によって傷ついた経験のある人は、「私は絶対離婚しない結婚をしたい」という思うことが少なくありません。
その結果、「絶対離婚しない方法は結婚しないことだ」という、わけのわからない理屈になってしまうことがあるのですが、それともよく似ています。
本来、「離婚しない結婚」というのは、永遠の愛が誓えるカップルになるということですよね。しかし「離婚したくない」という思いが強いと、離婚ということばかりに焦点が当たってしまうのです。つまり、離婚に洗脳されてしまうようなものですね。
その逆に、あなたが「永遠の愛のカップルになりたい」と強く思えるようになれば、あなたの心は永遠の愛を育めるような人を探しはじめます。
そして、“見捨てられ不安”をもつ人の深層心理を見ていくと、この「一人の人をずっと愛し続けることに自信がない」という場合が、実は多いようです。
つまり、「自分は一人の人を永遠に愛することはできない。だとすれば、そんな自分は嫌われてしまうだろう」と思い、その結果、見捨てられると感じているのです。
そして、なぜ一人の人を愛するという自信が自分にはないのかというと、自分はそんなにいいものをたくさん持っていないとか、自分という存在があまりいいものではないと思っていらっしゃる人が圧倒的に多いようです。
つまり、あなたが自分自身のことを、ずっと前に見捨ててしまったようなのです。人は、自分の悪いところばかりをいつも感じ、いいところはあまり感じることができません。
そこで、自分に“見捨てられ不安”があると思う人は、あえて自分のいいところを探す努力をしたり、ご友人にあなたのいいところを教えてもらったりしてみてください。それがきっと、あなたの自己イメージの改善の役に立つと思いますよ。
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