こんにちは。韓国在住歴4年、日本語教師でライターのHAZUKIです。Webメディア「by them」で、韓国の今を切り取り、生の情報をお届けしています。
筆者は、昨年10月に韓国の「韓国外国語大学 通訳・翻訳大学院」を受けました。先に言ってしまうと一次試験で不合格だったのですが、最近「韓国の大学や大学院に進みたいがどうすればいいですか?」なんてことを聞かれることもあるので、体験記をお話しします。
韓国で通訳・翻訳の仕事がしたい!どうすればいい?
最近、日本でも韓国語を勉強する人が増えてきたと聞きました。
韓国に住んでいる日本語教師の筆者にも「先生、韓国語も授業できますか?」という連絡が来るぐらいです(「韓国にいるのに韓国語の授業?」と思うかもしれませんが、これが意外とあります。生徒は主に韓国在住の日本人駐在員や駐在員の家族です)。
趣味で韓国語を始めた人も、韓国語の実力があがればあがるほど「韓国語を使って仕事がしたい!」と思う人が多いでしょう。筆者もそのうちの一人です。
筆者は最初、「韓国語さえ上手なら通訳・翻訳の仕事ができるはずだ!」なんて軽い気持ちで仕事を探したのですが、募集要件のほとんどが「通訳翻訳大学院卒業者または2年以上の通訳翻訳の経験者」でした。
「2年以上の通訳・翻訳の経験者」とあるのですが、通訳・翻訳の経験がない人はそもそも機会がないですし(インターン制度もほとんどありません)、「知り合いの通訳」「ボランティア活動の通訳・翻訳」はその経験に含まれないので「どこで経験を積めばいいの?」という感じです。
しかも、通訳・翻訳仕事は失敗したりクライアントからクレームがきたらすぐ仕事が切れてしまいます。さらにこの業界は狭く、失敗すればすぐに噂がまわってしまうので「失敗したら終わり」の世界です。
そんな失敗をしないために徹底的に通訳翻訳のトレーニングをしてくれるのが、「通訳・翻訳大学院」。大学院なのですが、アカデミックな学びの場ではなく、「トレーニング」に焦点を置いているため論文提出が義務ではありません。
その代わりに2年間中間試験、期末試験があり、さらに「卒業試験」もあります。一つでも単位を落とせば卒業はできません。テストもかなり難しく、ストレート2年で卒業できる人はごくわずかです。
韓国には通訳・翻訳大学院は5つほどありますが、筆者は韓国で一番レベルの高い「韓国外国語大学」の通訳・翻訳大学院を受けました。日本語学科は合格率が年によって違いますが、15人に1人と言われています。
しかもこの大学はかなり外国語が上手な人たちが受けるなかでの15分の1ですから、かなり難しいです。
試験は一次、二次に分かれていて、日本語学科の場合は以下の通りです。
一次:要約試験(韓国語の音声を聞いて日本語で翻訳、日本語の音声を聞いて韓国語で要約)
作文試験(韓国語の問題を見てそれに対する自身の意見を韓国語で記述、日本語 問題を見てそれに対する自身の意見を日本語で記述)
二次:面接試験(口述試験)
過去問は大学のホームページで見ることができます。
正直、最初は「日本語ネイティブだから少々韓国語が下手でも受かるだろう」と思っていたのですが、韓国人と日本人を全く同じ基準で評価(回答の名前を隠して教授たちが判断するので日本語韓国語の実力だけで判断されます)されるので、日本人だからといって有利だというわけではありません。
また、入学説明会で聞いた話では「卒業した後のフィールドが韓国だと想定しているので韓国語が高いレベルではないと難しい。この部分が日本人にはちょっと厳しい部分でもある」とのことです。
筆者は1年間通訳・翻訳大学院専門塾に通って準備しましたが、落ちました。最初の要約試験で韓国語の問題を聞いた時点で「あ、今回は無理だ」と思いました。ほかの人もそうだったそうです。
試験は毎年10月の3週目の土曜日に実施されます。外国人が受験する場合は必要書類も多くあるので、前もって準備することをおすすめします。
「韓国語を極めたい!」という方はぜひ挑戦してみてください。筆者は次回も挑戦します。
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