「同意していない性行為」に流されがちな女性の立場
実はこの奥さんは、医療従事者だった経験があるため「性暴力」に対する意識が高かったと言えますが、一般の女性には、なかなかそれが「暴力」の一種だとは気づかない場合が多いのではないかと思います。
この例では、奥さんは「避妊しない性行為」はしたくない、と先に繰り返し伝えていたにもかかわらず、ご主人はその場の勢いに任せて奥さんが同意していない行為を強行しようとしたので、確かにこれは「不同意性交」だったと言えます。
そこで奥さんが、ちゃんとご主人の行為を止めることができたから良かったのですが「いやだな、こんなのおかしいな、やめてほしい」と思いながら、ご主人の勢いを止められないままだったとしたら言葉はキツイですが、レイプ(強制性交)されたとも言えるのです。
「夫婦の間でそれは…」は甘えだった
ご主人が思わず口にした「なんで夫婦の間で暴力なんて…」という言葉は、多くの人にとっては自然な反応だとも思います。
「お互いにパートナーとして、許し合ってる仲じゃないか…!」と言いたくなる気持ちもわかりますよね。そこが、「性的同意」という言葉に対する一番大きな誤解かもしれません。
確かに、初めて性関係に入る前は、相手の女性に「そうなってもいいのか?」と確認する男性は少なくないでしょう。
そこで、いったん許し合える仲となったら、「何でもアリ」という錯覚が生まれるのが、これまでの一般的な男女関係だったのではないでしょうか?
でもそれは、実は大きな「甘え」だったのだと認識を改める必要があるのです。
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