回想法による効果とは?
回想法で期待できる効果には以下のようなものがあります。
心を落ち着かせる
回想法には、心を落ち着かせる効果があると言われています。
過去の出来事や思い出を話すことで、懐かしさがよみがえり、穏やかな気持ちになりなります。
仕事をバリバリしていたころや子育てに奮闘していたころなど、さまざまなことを成し遂げてきた自分の過去を誰かに聞いてもらうことで「自分はこんなにがんばってきたんだ」と再確認し、自己固定感を上げることにもつながるのです。
その結果、心が満たされて気持ちを落ち着かせることにつながります。
脳の活性化
回想法で大切なのは、思い出したことを言葉にして誰かに話すことです。
思い出したことを口に出して相手に伝えることで、脳に大きな刺激を与え、認知症の進行を抑制する効果があるとされています。(参考:認知症及び介護予防を目的とした回想法およびライフレビューが高齢者のQOLに及ぼす効果に関する研究)
コミュニケーションを深める
回想法では、認知症の人の話を受け入れ、過去の思い出に共感してくれる聞き役となる人が必要です。
お互いに思い出話を楽しみながら、自分の話をきちんと受け入れてくれるという満足感が得られ、不安な気持ちも和らぎます。
その結果、人間関係の改善やコミュニケーションを深める効果が期待できるのです。
このように「回想法」には、「精神を安定させる」「脳を活性化させる」「コミュニケーションを深める」効果が期待できます。
また、回想法について調べるうちに、昔祖母と話をしたときのことを思い出しました。
祖母は戦争を経験しており、祖母の家に遊びに行くたびに戦争の話をよく聞かされたのを覚えています。
会話の内容は悲しい戦争のことが多かったのですが、孫の私に自分が生きてきた時代の苦労や喜びを伝えることで、誇らしい気持ちになったのでしょう。
いつもは口うるさい祖母でしたが、昔を懐かしんで話をしている祖母は自然と穏やかな表情になっていたのを思い出しました。
回想法は認知症のケアとして取り入れられている心理療法ではありますが、認知症に限らずご高齢の方の満足感を満たし、孤独感を和らげる効果もあります。