子どもを介したつながりで仲良くなるママ友ですが、心強い味方となってくれるときもあれば反対に足を引っ張る邪魔な存在にもなり、お付き合いには慎重な距離感が必須。
仲良くなるとなぜか「みんな一緒」の状態を押し付けるママ友もいて、それぞれ家庭によって事情が違うことが理解できないのを見ると、縁を切るしかない場合も…。並列を好む理由は何なのか、ママ友の真意についてお話します。
「一緒がいい」ではなく「許せない」だけ(女性/38歳/総務)
「小学校の卒業と同時に疎遠にしたママ友がいます。
息子が通うスポーツ少年団で知り合ったお母さんたちですが、同じ学年の子が多くて子ども同士も仲がよく、楽しくお付き合いしていたと思います。
学校の情報など気軽に交換できるので助かっていましたが、メンバーのひとりリサさん(仮名)は、グループLINEでたまにほかのメンバーの家庭の状況を無遠慮に尋ねる面があって、ちょっと気をつけていようとは思っていました。
みんな家庭の状態はそれぞれで、ワンオペで仕事も育児もがんばっている人もいれば実家を頼って仕事を中心に生活している人もいて、そういう事情をあけすけに知ろうとするところにちょっと抵抗があって。
仲がよくてもプライバシーは尊重するべきだろうと思う私は、何か聞かれても適当に答えて逃げていました。
それでも大きなトラブルなどなく無事に6年生まで進み、不意に出たのが進学する中学校の話題。
リサさんが『みんな公立の○○中学に行くよね?』とグループLINEに投稿して、我が家はそうだけどメンバーによっては私立を受験する家庭もあったので、これも繊細な話題だなと思いながらメッセージにリアクションだけ返していました。
お子さんが私立を受験するママ友とは、以前リサさんの不躾なところが気になっているという話をふたりでしたことがあって、このときもメッセージには無反応でした。
ほかにも返信しないママ友がいたのですが、リサさんはそれが気になったのか、おそらく周辺を探って受験の情報を掴んだのだと思います。
メンバーのひとりのナオさん(仮名)から、『リサさんが○○さんのところの受験を知って、無理でしょって言ってくる』と連絡があって、勝手に“共犯者”にされることを嫌がっていました。
よその家庭の事情を探って受験の事実を知り、それをほかの人とまた『無理』と決めつける失礼さに、卒業したら疎遠にすることを決めましたね…。
ナオさんはそのLINEのメッセージには返信をしておらず、リサさんはほかのメンバーにまた同じことを言っていったのか、ついにはお子さんが受験するメンバーの耳に入りました。
『信じられない』『どこまで失礼なの』とそのママ友は怒り、最終的に『リサさんの旦那さんと話す』とまで言い出したのでみんなで止め、そのままリサさん抜きのグループLINEを新しく作り、そこで話しました。
結局、リサさんがどうして同じ公立中学への進学にこだわったかって、ほかの家のお子さんが頭のいい私立に行ったら差になるからでした。
以前からよその家庭の年収や旦那さんの肩書きなどを把握したがっていたので、自分よりうえに行かれるのがイヤなのだろうなと思います。
がんばっている人に対して『無理でしょ』と平気で言える精神が信じられず、その後は申し訳ないけれど卒業まで挨拶程度の付き合いにしました。
受験されたお子さんは無事に合格してみんなで盛大にお祝いし、気持ちよく送り出せたのはよかったと思います」(女性/38歳/総務)
仲のよいママ友たちと横並びを望む女性はたまにいて、よその家庭が抜き出るのを知ると自分のところと「差がついた」と屈折するのを見ます。
ほかの家庭の努力を否定するのはそんな思いをさせるのが許せないからで、身勝手な理屈です。
我が子の受験を「無理でしょ」なんて言われたら、自分だって悲しいし怒りが湧くはず。
他人と境界線を引けないママ友は、一方的に価値観に付き合わされるストレスがつきまといます。
窮屈な関係でまともな信頼が育つことはなく、縁を切るのが正解といえます。
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