韓国在住の日本語教師でライターのHAZUKIです。在韓ならではのリアルな韓国情報をお届けしています。
韓国では、国民ひとりひとりに、「住民登録番号」が付与され、成人になると「住民登録証」も発行されます。
この住民登録番号は、「YYMMDD-〇〇〇〇〇〇〇」のように、生年月日の6桁と、ランダムに与えられた7桁、合計13桁で構成されています。
下7桁の最初の1ケタ目は、性別でわかれています。昔は地域別でさらにわけていたようですが、現在は性別以外はランダムに与えられた数字で成り立っているようです。
この住民登録番号は外国人の場合、「外国人登録番号」と呼ばれていて、韓国で90日以上滞在する外国人は登録が義務付けられています。
住民番号番号も外国人登録番号番号も、一度付与されたら生涯変わることはありません。この住民登録番号(外国人登録番号)、とても便利だなと感じます。
すべてに紐づけられている「住民登録番号」
日本では病院に行くとき、特に初診のときは保険証の提示が必須かと思いますが、韓国では保険証を提示する必要はありません。
もちろん保険証というものは存在はするのですが、韓国人で保険証を持ち歩いている人はほぼいないでしょう。保険証があるということも知らない人もいるかもしれません。
なぜなら韓国では、住民登録番号と保険証が紐づいているため、病院でわざわざ保険証を見せる必要がないのです。
小さいクリニックの場合、初診でも名前と住民登録番号、電話番号だけ紙に記載して登録完了。2回目以降は受付で名前を聞かれるだけです。
ちなみに日本人の名前は韓国人に比べて名前が長いため、受付時に苗字を言いだしただけで「あ…わかりました」と、すぐに認識してもらえます。
ただ、本当に一度だけですが、病院の待機者を表示するモニターに全く違う日本人の名前が表示されて「私じゃありません」と訂正してもらいました。
きっと同じ医院にもう一人通ってる日本人がいて、勘違いしたのでしょう。私が何も言わなければ別人として診察受けることろでした。
住民登録番号は保険証だけでなく、携帯電話名義、クレジットカード、銀行口座、インターネットショッピングのアカウント等、すべてに紐づけられます。
便利だなと思うのは、モバイルバンキングをするときや、ネットショッピングでクレジット決済をするときです。
モバイルバンキングの際、金額がある程度大きくなると、必ず本人名義の携帯電話に本人認証のための認証番号が届きます。
届いた認証番号を入力し、さらに本人が持っているセキュリティーカードの番号を入力しないとモバイルバンキングで送金ができません。2重セキュリティーになっています。
ネットショッピングのクレジット決済は、すでに本人認証済のクレジット決済アプリケーションを携帯にダウンロードしているため、認証番号を入れるだけですぐに決済が完了します。いちいちクレジットカードの情報を確認したり入力する必要がありません。
コロナ禍に、韓国政府から国民へ生活支援金が配られました。
1回目の支援金は申請をしに出向き、プリペイドカードを受領しました。2回目からは携帯電話でのオンラインでの申請と、申請方法もかなり簡潔化されました。
オンライン申請は携帯電話に申請方法のメッセージが届き、2〜3分で登録が完了しました。
「支給まで何日かかかるのかな」と思いながら携帯電話をテーブルのうえに置いた途端、私のクレジットカードへ支給額がチャージされたのです。このスピーディーさにはかなり驚かされました。
これらは携帯電話、銀行口座、クレジットカード名義がすべて住民登録番号(外国人登録番号)で紐づけられているからこそできることかと思います。
ちなみにこのコロナ支援金は現金には変えることができず、プリペイドとして加盟店でのみ使用ができる形でした。現金ではないため貯金に回すことはできず、消費するしかなかったのです。
支援金が配られた当時は、一時期どこの食堂も(特に焼肉のお店)がお客さんでいっぱいになっていました。韓国人は懐が温かくなると、やはりまず肉を食べに行く人が多いです。
ほぼすべてにおいて、住民登録証(外国人登録証)が第一の本人確認証明として使用されるため、韓国で外国人が本人証明としてパスポートを提示を求められることはあまりありません。私もパスポートは日本帰国時に使うだけです。
コロナ禍で帰国できなかったときは2年ほどパスポートを手にしなかったので、パスポートの有効期限がせまっていることに気がつくのが遅くて少し焦りました。
取得するまでには時間がかかる?
このように、とても便利な韓国の住民登録番号(外国人登録番号)ですが、外国人がこの外国人登録番号を取得するまでには入国から2〜3カ月ほどかかります。
韓国で外国人が外国人登録をするためには、まず出入国管理事務所の訪問予約をしなければならないのですが、ここ最近韓国に長期滞在で入国する外国人が急増し、この訪問予約枠がすぐにいっぱになってしまうのです。
もちろん日時を先に延ばせば予約は可能ですが、それまでは外国人登録ができないということになります。
やっと外国人登録ができても、外国人登録証が手元に届くまでに約1カ月ほどかかるため、入国してから外国人登録証を受け取れるまでは2〜3カ月ほどかかることも珍しくないのです。
韓国のインターネットショッピングの会員登録、デリバリーサービスの会員登録、銀行口座名義等、すべて外国人登録番号と紐づける必要があるため、6カ月間の留学の場合3カ月ほどは不便を強いられます。
外国人登録証を受け取った日本人留学生が、「やっと韓国で人権が確保できた…」と冗談交じりで話していたのがとても印象的でした。
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