20歳年上の夫と高校1年生のマイペース息子と暮らしている、アラフィフ主婦ライター・塩辛いか乃です。
今年で49歳の私と、すでに70歳を迎えた夫。わたしたち年の差夫婦のリアルライフをお話しします。
歳の差20歳。客観的に見ればこの先きっと「夫の方が先に逝く」はずなのですが、うちの夫を見ていると、そんな気がしないのが恐ろしくなるときがあります。
夫は、わたしとは二度目の結婚。わたしと結婚したのが50歳を過ぎてからなので、二度目の結婚に際し「看取ってもらう人がほしい」と思ったそうです。
けれど結婚して20年近く経ち、わたしが夫を看取ることができるか、やや怪しくなってきています。
健康的すぎる夫と、「その逆」なわたし
わたしと夫は性格が真逆です。夫はとにかく健康志向な人。ルーティーンを守ることが大事な人で、会社に行く日も休みの日も朝5時起きの規則正しい生活、規則正しい食事。
身体によいからと良質のオリーブオイルを摂取してみたり、腸内環境をよくするためにヨーグルトとオリゴ糖を日課に摂取。
休みの日、週に一度は朝早くジョギングに出かけ、適度な運動をして、質のよい睡眠をとります。
よく年を取ると寝つきが悪くなると言いますが、うちの夫はいまでも3分で寝落ち可能。「なんかちょっと眠いから寝てくる」と言って隣の部屋に入ったら、すぐに大いびきが聞こえてきます。
なんならわたしが夫に腹を立てて説教をしている間にも寝落ちしたことも…。不眠症のわたしはうらやましくて仕方ありません。
身体に悪いからお酒は飲まず、太りすぎないよう毎日体重計に乗って体重管理。結婚してからの20年、体重はほとんど変わらず、なんと体形さえ変わりません。
体調が悪ければ、すぐに病院に行って薬をもらう。年に一度の人間ドックは欠かさない。外食は好まず、腹八分目の食事。米中心の和食が好き。非の打ちどころがないですよね。
昔の人(といったら失礼ですが)って基礎体力があるので、足腰もしっかりしていて、高1のインドア息子や50歳になろうとする私と比べ、断然体力がある気がします。姿勢もよくて、電車に乗っても背もたれに座らず、背筋を伸ばして座っています。
きっと厚生労働省が掲げている健康的な生活を地で行く夫は、厚生労働省から「健康な生活で賞」をもらってもいいと思うくらい。
なんなら厚労省の人でもこんなに健康的な生活をしていないだろうというくらい、「健康的と言われている生活をしている人」なのです。
一方わたしは、その場の楽しさに流されるタイプ。子どもを産んで、とりあえず子どもと夫にまともなものを食べさせなければと思っているので、ギリ栄養を考えてご飯を作って、自分もそれを食べているけれど、もともとは栄養管理に無頓着。
会社員時代は生活も不規則で、朝まで飲むのもザラ。お酒を飲みながら夜中までダラダラ話し込むのも大好き。
主婦になってからは子どもの学校などがあるので、かなり生活はまともになったほうだけど、夜更かしのクセがなかなか抜けない。おかげで息子も夜型まっしぐら。
ロングスリーパーで常に寝不足なうえに寝つきが悪いので、一度起こされると二度寝ができない。眠くても昼寝ができない体質なので、休みの日は目覚ましをかけずに寝られるだけ寝るのが幸せ。
当然、起きるのは昼。だから朝食は食べずにブランチ。ご飯はたらふく食べないと食べた気がしないし、趣味のダンスは夢中になるけど、筋トレとか歩くのとか地味な運動が大嫌い。
そもそも「身体によいから」というだけでまずいものを食べる人の気がしれない。毎日同じ決まり切ったことをするなんて退屈で死にそうになる。気分屋だし、刺激がないとつまらないので、規則正しいとはほど遠い波しかない人間です。
わたしが今度50歳、夫は70歳。70歳になる夫は健康管理と体重管理のおかげで、結婚当初から見た目がほぼ変わらない気がします。
それに比べてわたしは出産して体形は崩れまくり、もう恋なんてする余地もないし、体重や体形管理の意味も見いだせず、「痩せてギスギスより、ふくよかなほうがいいよね」という言葉を隠れ蓑にデブ散らかしています。
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さらに人間ドックでは先日、ダラダラ毎日お酒を飲んでいるせいで「脂肪肝」を指摘され、あわててノンアルビールを買って節酒しているわたし。それを横目で見て夫は「ほら言わんこっちゃない」とわたしの不摂生を指摘します。
40代半ばで乳がんも患い、手術と抗がん剤を経験しましたが、そのあとも「与えられた残りの人生を楽しむ!」とビールを飲んでいると、夫は「信じられない」といった顔をします。
そんな二人の生活を見比べて、「さてどちらが長生きするでしょう」と聞かれたら、当然「夫」ですよね。
こんな健康志向の夫、さらにときどき冗談交じりに「人間の寿命の限界に挑戦したい。理論上は120歳までいけるはずだ」とか言うのです。
夫の家系はめちゃくちゃ長寿家系。夫の実家のお墓を見ると、平均寿命が短かったであろう時代のご先祖さまも90代まで生きていたり、数年前に亡くなった義父も、元炭鉱夫で肺に病気を抱えながらも90歳の大往生。長寿の根拠もあるんですよね。
120歳は無理でも、90歳オーバーとか余裕でありそうです。わたしは70歳。いったい20年後はどうなっているのだろう…。
夫はコツコツ淡々と生きていくこと自体がルーティーンみたいで「別に楽しみとかないけど」と言いながら、息子や孫のために長生きしなくちゃと思っている節もありそうです。
いや、元気で長生きしようと頑張ってくれるのはありがたいですが、120歳って、ほんとにムリ。夫が120歳ってことはわたしは100歳。ムリムリ。看取るっていうか、わたし100歳まで生きなくていいかも。
「やりたいことをやり切ってから死にたい」とは思いますが、「やりたいことが多すぎるので、なかなか死ねないなぁ。結果、長生きしなくちゃなぁ」という感じで、120歳の夫を看取る100歳のわたしは、あんまり想像したくありません。
ついこの前もそんな長生きの話になり「わたしはあなたを看取れる気がしない。めちゃくちゃ長生きしそうだもん」と話すと、「話が違うじゃないか」と言い出しました。でも、120歳だったら無理よね。
そのあと夫は急に考え込んで、ものすごくまじめな顔でこう言いました。「でも、もしかしたらお前が先に死んだほうがいいのかもしれない」
。驚愕の「先に死んだら?発言」です。
いつも失礼な発言が多い夫ですが、さすがに「先に死んだら?発言」はひどいよなぁと言うと、ものすごく真剣な話だと言いながら「お前が生き残ると、遺族年金とか収入とかあんまりなくなるから老後大変だろ。俺が生きてれば、お金の心配なく死ねるじゃん」と。
わたしの老後の生活まで考えてくれるのはめちゃくちゃありがたいんですが、お金を使うのが嫌いでコツコツお金を貯めるタイプの夫はきっと、わたしに知らせていない貯金がたんまりあるはずで…。
まぁ、「わたしの老後まで考えてくれるのはありがたいけど、寿命ばかりはわからないからね」と曖昧に答えておきました。
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