20歳年上の夫と高校1年生のマイペース息子と暮らしている、アラフィフ主婦ライター・塩辛いか乃です。
今年で49歳の私と、すでに70歳を迎えた夫。わたしたち年の差夫婦のリアルライフをお話しします。
「ありがとう」と「ごめんなさい」を言わない夫
夫は、昭和20年代生まれ。まだまだ「男が大黒柱」という価値観が色濃くあった世代のせいなのか、生来の性格のせいか、本当にぶっきらぼうです。
そして驚くことに「ありがとう」と「ごめんなさい」を言いません。何をしてあげても、どんなにあちらに一方的に非があっても口にしません。
「ありがとう」と「ごめんなさい」をちゃんと言うのは人間の基本だと思って生きてきたので、それなりに大きな会社の役員をしている夫がそれを言わないことに驚きました。たぶん、会社など外では言っていると思うのですが。
夫婦は家族とはいえ元は他人ですし、子どもだって血のつながりはありますが自分以外の他人。
お互い、何かしてもらえば「ありがとう」、何かいけないことをしたら「ごめんなさい」は、家族だから言わなくていいわけじゃないと思うのです。
だけどそれを伝えても、なかなか伝わらない。ありがとうとごめんなさいが言えないなんて、子どもの教育にも悪いと思い、何度も夫に伝えましたが、逆にケンカになってしまってばかりで一方通行。
ぶっきらぼうさはほかにもあって、毎晩作るご飯を食べてもノーコメント。「ごちそうさま」も言いません。
いちおう主婦なので、ご飯づくりは仕事の一環でもあります。やっぱり毎日ご飯を考えなくちゃいけないって、たとえメニューがしょぼくても、手抜きでも、こちらとしては大変なことなんですよね。
いちおう栄養バランスも考えるし、好き嫌いも考えるし、ある食材や季節の野菜を組み合わせ、献立のバランスも考えて、さらにできればおいしいほうがいいと思ってレシピを検索して作るわけです。
気合を入れて作った日も、ものすごく疲れてても頑張って作った日も、夕方帰ってダッシュでご飯を作った日でも、無言でちゃっちゃと食べられてしまうと「わたしのさっきの必死さはなんだったんだろう」と思ってしまいます。やっぱり反応とかやりがいってほしいですよね。
そんなことでモヤモヤしていたら、夫と同世代の明石家さんまさんがテレビのバラエティで、ご飯を作ってもおいしいと言わないというエピソードに対して「いちいちごちそうさまなんか言ってられるか!」とコメントして、女性陣からブーイングがあがっていました。
たしかその流れで、「ありがとうとかごめんなさいなんかもいちいち恥ずかしくて言えない」とか言っていたと思います。
「うわー、これだ!」と思いました。これって、この世代特有なのか、まだジェンダーギャップ世界125位の男尊女卑文化なのか、まかり通ってしまう世界なんですね。
この価値観が染みついている人に、真っ向勝負してもそりゃあ反応がないわけだ、と妙に納得したのを覚えています。
「おいしい」と言わないなら聞こうと思って「おいしい?」と聞くと、「おいしいといえばおいしいけど…別に」と言われる。めちゃくちゃテンションが下がったので、それ以降は自分のために作ろうと決めました。