20歳年上の夫と高校1年生のマイペース息子と暮らしている、アラフィフ主婦ライター・塩辛いか乃です。
こんど50歳になる私と、すでに70歳を迎えた夫。わたしたち年の差夫婦のリアルライフをお話しします。
夫の「健康オタク」ぶりについては以前にもお話しましたが、特に夫の「病気への怖がり方」は尋常ではありません。
とにかく予防、予防で、お酒も飲まず、健康食品を食べ、3食食べる時間に気をつけ、休みの日にも起床時間を変えず「規則正しい生活」を守っています。
彼の「健康オタク行動」の原動力は、おそらく「健康でいたい!」という前向きな気持ちというよりは、「死にたくない」「病気になりたくない」という保守的な感情だと思います。
病気への尋常な警戒心がある夫ですが、彼はおそらく性格的にも「ルーティーンを守る」ことで安心するタイプ。その日々の日常を脅かすのが「病気」だからかなと分析しています。
「病気が怖い夫」と新型コロナウイルスに感染したわたし
そんな夫と暮らしているので、わたしが風邪を引くともう大変。
「自分がかかりたくない」気持ちがダダもれしていて、具合が悪いのはこちらなのに、気を使われるどころか、こちらが気を使ってしまうほど徹底的に予防体制に入るのです。
リビングに入っただけで「マスクしろ」とか、わたしが触った部分をアルコールで拭いたりと、なんだか自分が「バイキン」になったような気持ちになります。
さらに夫は「大丈夫?」という寄り添い言葉をかけられないタイプ。いままでに何度も、わたしは「大丈夫?」と聞かれるだけで気持ちが休まるんだよと伝えましたが、夫の言い分は、「大丈夫?」と聞いたところで何も状況は変わらないし解決しないから言ってもムダだそうで。
その分、買ってきてと頼んだものは買ってきてくれたりします。
ただ、先回りして「食べたいもの、食べられそうなものある?」とか「具合どう?」とか、そういうことは一切聞かれません。わたしは言葉ひとつで気持ちってやわらぐものだと思うので、ちょっと悲しいんですよね。
そんな「病気が怖い夫」がいるのに、昨年の2月、わたしと息子がなんと新型コロナウイルスにかかってしまいました。
コロナが5類になろうとし、徐々に世の中の空気が緩んできたころ。わたしがうっかり友人からもらってしまいました。親子で出かけていたため、もちろん息子も2日後に感染。
当時はまだ家族も「濃厚接触者」として外出自粛の決まりがありました。
そうなると、ただでさえ病気が怖い夫はきっと、わたしの具合どころか、自分の身を守るのに必死になる。わたしは具合が悪いうえに家のなかを自由に歩けなくなるとわかっていたので、感染がわかった瞬間に「ビジネスホテルに避難していいよ!」とLINEしました。
けれどなぜか夫はそこで「食料供給係をしなければいけない」と謎のミッションを感じてしまったようで、ホテルに避難することをせずに在宅することを選んだのです。