マンション内隔離生活、スタート
そして夫とマンション内隔離生活がスタート。とはいえ普通のマンションなので、お風呂もトイレも洗面所も共用。わたしや息子は高熱でフラフラ。触ったドアノブを消毒するとか、そんなことに気が回りません。
夫はわたしたちが触ったドアノブを、ビニール手袋でせっせとアルコール消毒していました。その姿を見ると、とてもじゃないけどリビングに入ることができず、夫もリビングのドアをきっちり閉めて「リビング出禁」状態に。
連絡はLINEでやり取りし、食べ物はおにぎりとパンとお茶を買ってきてもらいました。
ですが徹底的に近寄りたくない夫は、わたしと息子が寝ている寝室の外に配給所のようなテーブルを設け、そこに食べ物を置いていくのです。
買ってきてくれるのはありがたいのだけれど、そもそも高熱で身体が痛くて動けず、トイレに行くのさえひと苦労。
ウイルスが怖いのはわかるのだけど、扉の外に置かれちゃうと、取りに行くのが大変なんだよ…と思いつつ、病気が怖すぎる夫に、新型コロナウイルスで発熱しているわたしの枕元に食べ物を置くなんて恐ろしいことは絶対にできないだろうと察し、とりあえず食べ物を買ってきてくれたことだけに感謝。
トイレにいくついでに、決死の思いでドアの外にある食料を取りに行っていました。
わたしや息子がトイレに行くと、その後「シュッシュ」と除菌をしている音が聞こえる毎日。夫はわざわざ決して広いマンションとは言えない場所に滞在し、新型コロナウイルスにかからないように孤軍奮闘していました。
たぶん、面倒くさがりのわたしだったら「もううつるな」と諦めていると思います。
子どもが小さいころに、数々の病気を子どもからもらって寝込んだことも多々。インフルエンザも子どもが小学校中学年くらいまで毎年子どもからもらってかかっていましたし、そういうのに慣れてしまったのかもしれません。
そうこうしているうちにだんだん熱が下がり、ある程度動けるようになってきたわたしと息子ですが、依然としてリビングは出禁。
寝っぱなしで身体も痛くなり、たまには広いリビングで食事をしたいと思えど、どう考えても入ったら出て行けと言われそうで、リビングに入れず…。
仕方なくアウトドア用のテーブルと椅子とiPadを持ちこみ、そこで食事して、韓国ドラマを見たりと本気の「引きこもり生活」をしていました。
熱も下がり、日数的にもう感染力もなくなってきたころ、夫はまだ熱も出ていませんでした。
リビングを出禁にし、毎日必死に除菌をした効果があったのかなぁと思いました。夫も、「もう大丈夫、逃げおおせた」と思ったのかもしれません。
ですがその翌日、夫は「喉が変」と言い出しました。
自分が「なんとなく喉の違和感」があってから3時間程度で悪寒がし、その後すぐに熱が出たので、その経験から「あと3時間で悪寒がして熱が出たら、たぶん新型コロナウイルスだよ」と言いました。
そこからあれよあれよという間に夫が発熱。せっかく1週間かからずに持ちこたえたのに、一瞬でダウンです。発熱後少しして抗原検査をしたら、やっぱり新型コロナウイルス。
そしてわたしは、まだ後遺症があるものの、やっと動けるようになってきて、制限解除までゆっくりNetflix(ネットフリックス)でも見ようと思っていたのに、そんなことを言っていられなくなりました。
今度は、わたしが食料調達要員になるはめに…。
同じ病気なので再感染の危険はないと思いましたが、リビングで一緒にいるのもなんだかやっぱり不安だし、わたしの辛かった引きこもりも体験してもらいたくて、今度は夫に寝室引きこもりをしてもらうことに。
夫は少しでも風邪を引くと、3分に一回くらい熱を測るのですが、今回も部屋の外から体温を測る「ピピッ」という音がしきりに聞こえてきます。
そんな夫を寝室に閉じ込め、いつも夫が占拠しているソファに座り、リビングのテレビを見ながら、広々としたリビングでのんびりできて、それはそれはのびのびした気分でした(笑)。