ふたたび、「リビング出禁」に…
このように、わたしが風邪を引くと夫が徹底防御してくるので、病人なのに逆に気を使ってしまって疲れるので風邪はうんざりなのですが、秋ごろ今度はインフルエンザにかかってしまいました。
インフルエンザに罹った瞬間、病気になったことよりも「またリビング出禁か」のほうに萎えてしまったわたし。
以前夫が、「近所にビジネスホテルができたから、今度何かあったらそこに避難しようかな」と言っていたので、今回も「ビジネスホテルに避難してくれていいです」とLINEしました。
いまは宅配サービスも充実しているし、食事はなんとかなる。それよりも無言のリビング出禁がストレスなので、わたしもぜひそうしていただきたいという願いを込めて。
なのに、今回もなぜか家に滞在を選んだ夫。いや、自分の具合悪いのに、あなたに気を遣うのが嫌なんだって察してほしい。
夫は息子に大きな声で「母ちゃんに近寄るな!」と、さっそく防御モードに入っていましたが、気にせず接してくる息子は、もちろん2日後に発症。また2人仲良く寝室に引きこもりです。
新型コロナウイルスでも相当高熱がきつかったのですが、久しぶりのインフルエンザもなかなかきつかったです。
39.3度まで熱が上がり、本当に体が痛くて動かせない。それでも相変わらず防御モードの夫は、律義におにぎりを部屋の「外」に置いて行ってくれます。ほんと、動けないんだってば…。
さらに夫は前回新型コロナウイルスにかかるまいとしてうっかりかかってしまった経験から「換気必須」と思ったようで、わたしが寝ている部屋以外の窓を全開にしていました。
新型コロナウイルスに感染したときは2月だったので、さすがに寒くて換気も限界がありましたが、今回は10月はじめだったので、窓を開けられると言えば開けられる気候。
ですがちょうどそのあたりで、猛暑だった日々から一転、グンと冷え込む日が続いていました。しかも風が強く、あけ放たれた窓から窓に風が通り、廊下は極寒。
トイレに行くために部屋を出た息子は「なんだこの寒さは!ここは外か!?」と叫んでいました。
今度こそ絶対にかからないという夫の固い意志を感じたわたしは、余計にリビング出禁に気を使い、部屋から出るのさえためらってしまいました。
そりゃあわたしだって移したくはないですが、ただでさえ具合が悪く、高熱でフラフラなのに、「大丈夫?」とかの声掛けもなく、無言でリビングのドアをぴったり締め、ちょっとモノを取りに行くだけでも「マスクしろ!」は悲しい!
夫はリビングでもずっとめちゃくちゃ高そうな防御マスクみたいなものをしていました。
生きている以上、病気はつきものだし、人間とウイルスは共存関係にあるし、面倒くさがりでズボラなわたしはどちらかというとあまりここまで徹底した予防に興味がないので、見ていて疲れてしまうんですよね。
かからないようにびくびく生活するなら、なんなら一緒にかかってしまったほうがラクと思ってしまいます。
きっと夫はそんなわたしを「ウイルスをばらまく殺人鬼」と思っているかもしれません。
そんなリビング出禁生活を送り、やっとよくなりました。今回は部屋が外と間違えるくらい換気をしたせいか、インフルエンザにはかからず済んだ夫。勝ち誇ったような顔で「おれ来週インフルの予防接種受けてくる」と言いました。なんか悔しい。
ツッコミを入れたくなる夫の行動
そんな騒動があったあと、しばらくして、今度は夫から「喉が痛い」と言い出しました。聞けば熱もあり、ゲホゲホと咳き込んでいる状態。
ふだんは風邪程度でなんとも思わないわたしですが、インフルエンザ出禁の記憶も新しく、わたし自身も続く不調で体力が落ちていたので、これ以上風邪をひきたくないと思いました。
ですが夫は、他人が病気になると「入ってくるな」「マスクしろ」「移らないように」と厳戒態勢になるのに、自分のときは家のなかをやけにウロウロするのです。
トイレに行ったあとに息子に近づいて話しかけてみたり、ご飯を食べるのにキッチンを使って、テレビを見ながら食べていたり。
「おいおい、自分は絶対にうつりたくないのに、人にはいいのかよ!?」と、夫のこういうところにツッコミを入れたくなります。しかもたぶん気づいていない。
夫にはこういう部分が多々あります。バラエティ番組で「こんな夫は嫌だ」という特集を見て爆笑しているのですが、私に言わせれば「それはそのままアンタだよ」というエピソードだったりすることも。
自分のやっていることに気づかない、なんともうらやましい性格です。褒めてませんよ。
そんなこんなで、風邪ひとつで大騒動となるわが家。しばらく高熱や風邪は勘弁ですが、次に何かあったら「リビング出禁がストレスなので、お願いだからビジネスホテルに行ってください」とお願いしようと思います。
または自分が仕事を頑張って、将来は自分用の事務所をもって、なにか病気になったら「事務所で静養します」とかしたいなぁ、とか妄想したりもします。
とにかく病気が怖い夫の気持ちもわかりますが、長期のリビング出禁も私にとって同じくらいストレス。そして、「自分がかかったときはいいのかよ?」という鈍感なところにもプチイライラしてしまいます。
ですがこれもお互いの性格や方針、生き方のベクトルがあまりに違うところからくるもの。夫婦生活を長くやっていると、本当にすり合わせが大変なときがありますよね。
お互いの性格を知って、伝えるべきことは伝えながらうまくやっていくしかないのでしょうね…と思う、結婚17年目の秋です。
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