どうやって受け入れた?
そんな夫にモヤモヤしているとき、こういうぶっきらぼうな夫はわが家だけではなく、ほかの家の旦那さまでも結構いることがわかってきました。
たまたまパートで一緒になり、仲良くなった友人とよく電話でおしゃべりするようになり、ぶっちゃけ話で盛り上がって夫の話題になったとき、うちの夫と友人の夫の反応が、まるでコピーのように同じ反応だったことに驚いたのです。
- ありがとうと言わない
- とにかく絶対に謝らない。謝ったとしても、ふざけた調子で「わりぃわりぃ」とヘラヘラする
- LINEの返信は何を書いても「了解です」の4文字のみ
- 「だいじょうぶ?」などと気遣う言葉が言えない
この不愛想な夫のパターンが一致し、セリフのパターンが一緒なので、きっとこの理解不能な夫は「わたしたちとは違う星の人で、きっとうちと友人の夫は同じ星の出身なんだね」と言って笑い合いました。
そのくらい言動が一致しているのです。
特にLINEで「了解です」と判を押したような返信しか返ってこず、「ありがとう」「ごめんなさい」「だいじょうぶ?」と言わない部分が同じすぎて、「これでモヤモヤしていたのは、私だけじゃなかった!」と同じ人種を持つ夫を持つ人に出会えて、「ひとりじゃない」なんて思えてしまいました。
そしてその友人はこう言いました。
「もうこの人は違う星の生まれで、生まれたときに『ありがとう』とか『ごめんなさい』とか、5文字以上の言葉を言うと爆発するように何か仕込まれてるんだと思うようにしたんだよね。そう思わないと自分の身が持たないから」
それを聞いて、いままでモヤモヤしていたことが爆笑に変わりました。
お互い、若干のモラ発言も認めていたので、私たちの夫は「モラン星」から来た人たちで、モラン星の男は生まれながらにして4文字以上の言葉を話すと爆発して消えてなくなるように仕込まれて地球にやってきている、という設定で互いの夫の話をすると、笑いしか出ない。
わたしも彼女もどちらかというと言葉での気遣いを大事にする方で、だからこそ無愛想な夫に寂しい思いをすることが多いのだと思います。
無愛想な夫に不愛想なことを言われて心がすさんだら、彼女に電話して話をすると「だってモラン星人だもんね〜」と笑って終わることができるので本当に癒しになります。
夫のすべてが嫌いとかではないけれど、こればかりはどうにも受け入れられない。結婚したらこういう部分は必ず出てくると思います。
それが許せないから離れるのか、それでも一緒にいるのかは、その内容であったり個人の価値観、お互いの考えによって大きく変わりますが、こうして「変わらない部分をおもしろい見方にして笑い飛ばしてしまう」というのは、価値観が異なる人間同士が一緒に暮らしていくうえでのひとつの「智慧」と言えるのではないかと思います。
パートで一緒の彼女との電話は、泣きたくなるようなときでも「うちもそうだよー」と言いながら笑い話に変換され、本当に助けられました。
いまは別の仕事をしている彼女と電話の回数は減りましたが、それでも何か夫の無愛想でモヤモヤすることがあると「4文字以上言うと爆発するモラン星人だから」と言い聞かせて立ち直るようにしています。
最近は話がわかるようになってきた息子にも、「父ちゃんは『了解です』しか返ってこなくて、ありがとうとごめんなさいを言わないので、言うと爆発する星から来たってことにしてる。でもあなたは必要なときに、大事な人に『ありがとう』『ごめんなさい』を素直に言えるようになってね」と反面教師にもこっそり使わせてもらってます。
そして「了解です」の4文字については、夫の遺伝子を引き継いで長話が嫌いな息子いわく「母ちゃんのLINEが長すぎるんだよ」だそうで…。
やばい、息子の未来の奥さんが同じ不満を持たなければよいが…と少しだけ心配です(笑)。
そんなこんなで、世代のせいか気性のせいか、とにかく「無愛想」なところが残念な夫ですが、その分生真面目でギャンブルもせず、まじめでカタブツという部分はとてもありがたい面でもあります。
昔、高倉健に似ていると誰かに言われたらしく、ときどき上機嫌なときに高倉健の真似をして「不器用ですから」と言ったりする夫ですが、それを言って許されるのは高倉健だけで、あなたはその不器用さを直しなさい!と顔で笑いながら心で突っ込んでいるきょうこのごろです。
- image by:Unsplash
- ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。