こんにちは。神戸メンタルサービスの平です。私はセラピストとして20年以上活動し、年間60回以上のグループ・セラピーを、またこれまでに約4万件の個人カウンセリングを行ってきました。
“天の邪鬼”とは、本心とは違う態度をとったり、本音は明かさず、真逆のことを表現してしまったりする人たちのことを言います。
「なんで、そんなヘンなことをするのかなぁ」と思うかもしれませんが、実はあなたもきっと天の邪鬼な態度をとった経験があるはずです。
「天の邪鬼さん」の特徴
たとえば、中学生のころ。大好きな彼と同じ場所にいるのに、「あなたには興味はありません」というフリをしていたことはありませんか?
あるいは、好きだという気持ちを悟られないように、悪い態度をとったりしたことはないでしょうか?
これらも、天の邪鬼の表現の一部。実際におつきあいをするようになっても、こんなふうに言ってしまう人は少なくありません。
「別に淋しくなんかない」「わかってもらいたいと思っているわけじゃないから」「あなたがしたいようにすればいいんじゃない?」
本当は、とても淋しかったり、彼だからこそわかってもらいたいと思っていたり、彼にそうしてもらいたいとはまったく思っていなかったりするのだけれど、自分の気持ちを認めないわけです。
でも、なぜ人は天の邪鬼な態度をとってしまうのでしょうか?
そのきっかけは、だれかに否定されたり、だれかにわかってもらえなかったりした、傷ついた経験である場合が多いようです。
もう傷つかないようにという防衛行動として、本心を隠したり、平気なふりをしたりしてしまうのです。
しかしながら、天の邪鬼な態度ばかりをとっていると、あなたに関する正しい情報が相手に伝わりません。
その結果、相手を混乱させたり、あなたという人を見誤らせたりしてしまうこともあるわけです。
たとえば、「彼女は自立的で、放っておいてほしいタイプに違いない。むこうから誘ってくるまではデートにも誘わないほうがいいな」などと思われないともかぎりません。
それから、天の邪鬼さんには負けず嫌いの人が多いようです。
なかには自分の意見が通らないことが負けだと思う人もいて、自分のやり方にこだわりすぎ、意地っ張りになってしまうことも多いようです。
人の意見とは多様なもので、勝ち負けではなく、いろいろな考え方を受け入れることが大事だと思えないかぎり、自分のやり方に固執し、頑固になってしまうのです。
でも、なぜ、そうなってしまうのでしょうか?
その心理的なところを見てみると、変化への恐れを持っている人が多かったり、違うものへの興味が薄かったりするタイプが多いことがわかります。
変化に着いていったり、新しいことを憶えたりすることへの苦手意識のほうが強かったりして頑固になっていて、しばしば感情的になってしまうことも多いようです。
その点、さまざまな人の意見や新しいことにも興味をもつことができれば、恐がりな天の邪鬼さんも自分をオープンにし、本音でコミュニケーションができるようになるようです。
また、天の邪鬼さんのほとんどは甘え下手です。
自分のしてもらいたいことを上手に口に出せないタイプが多く、他者がなにかをしてあげたとしても、喜ぶことはあまりありません。
それどころか、「あなたがしたいのなら、してもいいよ」というような言い方をしてしまうことがよくあります。
ちなみに、あなたのパートナーが天の邪鬼さんで、こんな言い方をされたとしたら、あなたが相手のニーズをちゃんとつかんでいることの証ですので憶えておいてくださいね。
とにかく、いろいろと手のかかるのが天の邪鬼さんなのです。
しかし、手がかかるがゆえに、あなたぐらいしか愛してあげられる人はいません。つまり、ほぼライバルがいないというメリットが天の邪鬼さんとの恋愛にはあると言えそうです。
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