「彼女」ができたけれど…
そんなユウキさんの変化は、半年前まで勤めていた派遣先で知り合った女性と仲よくなったことです。
「同じ実家暮らしで、ずっと事務系の派遣で食いつないでいる」と話したらしい40歳のその女性に、ユウキさんは恋をしたようでした。
成人後は彼女がいたことはなく、40代になってやっと親しい女性ができたユウキさんは、「会社に行くのが楽しかった」と当時を振り返ります。
自分より早く彼女の派遣期間が終わってしまうことから、仲良くなってすぐ連絡先を交換して個人的なやり取りを続けていたそうです。
ユウキさんが言うには告白は自分からで、そのときはふたりきりで食事に行くような仲になっており、「彼女からはその場でOKをもらえた」と言います。
晴れて交際へと進んだふたりですが、ユウキさんの派遣期間が終了してからはお互いに無職となり、いまも実家暮らしのままお付き合いを続けているとのこと。
「彼女とはLINEも電話もするし、会おうと思えば俺がクルマを出せるから心配はない」とユウキさんは言いますが、実際はデートで使えるお金がないため食事をする機会も少なく、ふたりで出かけるような時間はないようでした。
交際の実態は…
「お付き合いしている」と聞けば、定期的にデートをして仲を深めるような時間を当然に持つものと想像しますが、ふたりの場合は違っていました。
LINEや電話で話すことは頻繁にするけれど、外で会うのは月に一度か二度、食事やドライブをして数時間一緒にいるのがふたりのデートです。
共に無職なら時間はあってもデートにかけるお金がなく、行き先もファミリーレストランなど安価で済むところ、プレゼントなど考えつくこともないようでした。
「着る服に悩むんだよね」とユウキさんは話し、新調したいけれどそのお金はないし、親に頼んでも断られるらしく、ダサい格好で彼女と会うことを恥ずかしいと思っていることを告白してくれました。
また、長い時間一緒にいたいと思ってもお互いに叶えられない現実をわかっているのか、自分から積極的にデートに誘うことはないそうです。
そんな交際の状態が悪いのかと言われたら判断はできませんが、少なくともふたりが働いて収入を得ていればもっと自由に過ごせるのはたしかで、いまの窮屈さを受け入れ続けることには違和感がありました。
当然ながらふたりの将来について考える余地はなく、彼女もリアルな具体性を持って結婚を意識することは難しいのではないでしょうか。